ふたり回し

小説投稿サイトとは別に連絡や報告、画像の管理などを行います

付けたし

ScarletStream第4話より。

今回は冒頭の構成が変更されたことにより付けたされた部分を引きぬいた。


「昼間襲ってきた怪物のことは、どれだけご存知ですか?」

 呼び出された二人に、千波が静かに問いかける。さえた藍色の絨毯の上をまばらな雲の影が滑り、か細い蝋燭の光が浮き沈みを繰り返す。不意に月明かりが途絶え、風音は生唾を飲み込み、小さく息を吸い込んだ。

「詳しいことまではお答えできませんが、大したことまでは分かってませんね。集団で行動すること、戦うときだけ姿を現すこと・・・消えたまま襲って来たらどうにもなりませんが。」

 先に口を開いたのは、激の方だった。小さくため息をついてから、風音は努めて明るく答えた。

「ただ、消えると言っても、ガラスのように透明になるだけで、完全に見えなくなるわけじゃない。哨戒に力を入れて水際で迎撃できる体勢を整えれば、今度の様な事態は防ぐことができる。必ずだ。」

 満足げに頷く激に横目で不平を伝えると、曖昧な笑顔が返ってきた。


千波に呼び出された、その後。

直後のシーンで、風音がすでに敵の正体を知っていたことが明らかになる。


・ランキング参加中につき一日一クリックをご寄付いただけますよう。

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ
にほんブログ村