ふたり回し

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2016-01-01から1年間の記事一覧

何もでけんかった! その3

すまない。 ここまでが真面目すぎたんだ。 9日後、公式大会で、淫売と勝負する。 突然現れた本番に、Kの顔つきが変わった。 「来週の……土曜日……」 カレンダーを見つめる瞳に、恐れの影は映っていない。 勝つことしか考えない、一端の選手の目だ。 「そりゃ…

何もでけんかった! その2

再起戦に向け、動きだす二人。 なんだか熱くなって来た! 炊き置きの白飯にカレーをよそい、後は番茶と漬物だけ。 サラダも何もないが、取りあえず腹は膨れるだろう。 Kはしっかり食事を採っていなかったと見え、野良犬もかくやという勢いでがっついた。 「…

何もでけんかった! その1

なんか、真面目な部活ものっぽくなって来たぞ! 雨に打たれるKの姿は、度座衛門を思わせた。 濡れた髪が額に張り付き、その毛先からはとめどなく水が流れ落ちる。 制服の肩には、見覚えのないエナメルを担いでいる。 少なくとも一度は帰った筈なのだが、見…

なんて可哀相なのかしら! その8

デッキ構築を面白く書く方法……あるんだろうか? あれから三日。 Kはまだ鞄を取りに来ない。 化粧品も携帯もなしで長くはもつまいと考えていたが、これが存外平気なようだ。 お蔵入りになるような気がして、奴のデッキはまだ手つかずだ。 ほとぼりが冷めたら…

なんて可哀相なのかしら! その7

いるだけで場が和むトリシャさんのボケ力に拍手。 「すげー、追い返しちゃったよ」 アキノリが武勇を讃えると、パラガスは逆に小さくなった。 「いや、褒められたことじゃないよ。それより……マスター、ごめんなさい。せっかくのお客さんを」 そっちが先か。 …

なんて可哀相なのかしら! その6

これで戦う理由ができたかな? この勝負、憐さんの勝ちです。 誰に向かってでもなく、パラガスは仏頂面で淡々と宣言した。 衝撃的な逆転劇だというのに、ギャラリーからは歓声もブーイングも上がらない。 聞こえるのは、ガラス越しの暗い雨音だけだ。 淫売の…

憐のブレイン・ジャック

初登場時、憐の使った金土コンです。 金 2xおしゃべりジェリー 3x新緑のカチューシャ 3x人形遣いのカーニャ 2x惑乱のフェルミ 2x甘い香り 1x裏切りの口付け 3x金のリンゴ 土 4xおねだりマリー 3x幸運のペリーダ 3x星の砂 3x宝探し 1x若さの種 相手の場にイコ…

なんて可哀相なのかしら! その5

憐の恐るべき策略とは…… やられた。 白磁の香炉が場に出た途端、残ったイコンはみんな骨抜きにされてしまった。 ギャラリーから叫び声が上がり、ゆっくりとざわめきに変わってゆく。 「マジかよ」 「嘘でしょ? 勝ってたのに」 「糞、あれがナージャでなけり…

なんて可哀相なのかしら! その4

憐の仕掛けた罠とは。 風に流れる金髪に、瑞々しい緑色のカチューシャ。 何が躓くだ。 準バニラのカウンターイコンではないか。 淫売の肩透かしに、俺たちはめいめいに悪態をついた。 「何かと思ったら、カチューシャかよ」 「アニメイトするにも、もう手札…

なんて可哀相なのかしら! その3

改良により高速化したCタケの水木フォロアビート。 後ほどレシピも公開してもらいます。 テーブルに向かうKに、人だかりが何となくついてゆく。 姉妹揃って自信過剰なのか、それとも何か策があるのか。 アウェイであるにも関わらず淫売は余裕の表情だ。 K…

隔離

ようやくそれらしい話になって来た。 「カルラさん、火の玉が!」 アレクの手を振りほどき、カルラは火の玉に向かって叫んだ。 「止まりなさい。帰れなくなりますよ」 張り上げても、薄い声しか出てこない。連日の探索には、まだ無理があったのだ。 「風の、…

亡霊

まさかのお化け回。 翌晩、アレクは中庭でカルラを待った。オハの研究所は、今までどうやって隠匿されてきただろうか。病院が閉鎖されたことになっているのか、それとも病院に偽装されているのか。カルラが前身の病院に見当を付けてくれれば、少なくとも場所…

施設

ついに、本丸が垣間見え。 通路の先は、右向きのバルコニーになっていた。風に揺らめく燭台以外は、寮の通路と変わらない。 「向かいにも扉が並んでますね。何回くらいあるのかな?」 手すりから身を乗り出して何気なく下を覗くと、数えきれないバルコニーが…

完璧な言葉

あらたなあさが あたたかく あなたはかなた

既視

漸く進展する調査。 ここから先、ようやくSFらしい感じになってきます。 二人はいつもと同じように、イポリートの張り込みを始めた。カルラも持ち直しつつあるが、今夜も一番手はアレクが務める。オレンジ色の扉を開けると、そこは見慣れた執務室だ。壁一…

なんて可哀相なのかしら! その1

世界一嫌味な女、現る。 そろそろ5時になろうというのに、随分と表が明るい。 時間が経つのも早いもので、『みすまる』にKが来てからもう3週間になる。 まだまだ読みは浅いが、セオリー通りのプレイは出来るようになってきた。 俺の方でも水木が仕上がりつ…

進行

上手くいきかけたと思ったら、再び怪しくなる雲行き…… カルラとの密会から5日、頑張りますといった割に収穫が上がらない。イポリートは隙を見せず、キリールからの連絡も来ず、国安の巡回をニコライに知らせたのがほぼ唯一の戦果だった。こんなところで足踏…

祈莉

ブリキのバケツに柄杓を差し、錆の浮いた蛇口に手をかけた。固く閉まったまま、さび付き出しているのだろうか。ハンドルは指にかみつき返し、中々引き下がろうとしない。息を止めて握りなおし、思いきり力を捻じ込むと、繋がりかけたバルブが僅かにずれ動き…

赤黒殉教ビート

火木といいつつ赤黒です。 木 4xいたずらヴィオラ 4xつり目のトローネ 4x殉教令 3x辻斬り 火 2xリンゴほっぺのメグ 3x春告げのホロロ 4xわんぱくクローナ 3x流鏑馬カンナ 3x目くらまし Cタケたちが早朝会議で作った速攻です。 土木だったのが最後に火木にな…

投影

短いけれど、キリが良いので。 シェフチュカ通りを街中に向かって進むと、船の帆を象ったミラービルが見えてくる。ナヴィガツィヤという、割と新しい水上モールだ。ハバロフスクで一番のシネコンは、一番手前、A棟の6階にあった。元気の出そうな映画が一番…

俺は死を選ぶぞ! その5

Kも少しだけ、carnaに興味が出てきたかも…… そのあとKから返って来たのは、一本の短いメールだけだった。 恥を忍んで勇気を振り絞り、寿命をすり減らした俺への労いが「まあええやろ」だと。 人を馬鹿にするのも大概にしろ。 パンツ代だけでも回収したかっ…

俺は死を選ぶぞ! その4

Cタケ、ついに捕まる(苦笑 そんなことは百も承知だ。 男物のパンツなら、こんな危険を冒さずとも手に入る。 「それでいい。俺が欲しいのは、女のパンツだ」 俺の放つプレッシャーに、店員はたじろいだ。 「それはその、プレゼントということでしょうか……」…

手術

やたらと細かいシーンになってしまった。 「お待たせいたしました。こちら、季節のスイーツ、ビワのタルトでございます」 皿がクロスの上を滑り、小さな波が浮き上がった。斜めに乗せられた半切りのビワがが、艶やかな光を放っている。ウェイターが去った後…

実験

ようやくSFっぽい感じになる今回。 ここから勢いに乗りたいなぁ…… ブレスレットが、カルラについていない。浮足立つアレクに、カルラは涼しい顔で答えた。 「家に置いて来たんです。着けていても面倒なだけですから」 そんな。アレクは身を乗り出し、テー…

俺は死を選ぶぞ! その3

修羅道に走るCタケ。 彼を止めるものとは…… 俺はナプキンの袋を睨み付け、じっくりと間合いを測った。 何も恐れることはない。 向いの売り場を見て分かった。 これはおむつだ。おむつに過ぎない。 別の言い方をすれば、紙に覆われた吸水ポリマーだ。 ためら…

俺は死を選ぶぞ! その2

連休のお陰で復調気味かな。 「おいおい! そんなこと急に言われても――」 しまった、声が大きすぎた。 俺は辺りを見渡してから、Kに尋ねた。 「ほ、他に頼れる奴はいないのか? トイレなら他にも女がいるだろ」 頭痛薬はともかく、生理用品は危険すぎる。 …

俺は死を選ぶぞ! その1

翌朝俺は、一人で三ノ宮のセンター街に向かった。 メンタルや対応力を培う、アウェイでの店舗大会。 本当はKが出るはずだったのだが、あの愚か者め。 デートの予定があるから行けないだと。 カードを舐めるのも大概にしろ。 「その日、大会ない思ってたし、…

開示

あまり考えていなかったシーンなので、逆に手こずってしまった感じ。 翌朝アレクは目を覚ますと、シリアルをかき込んでレフのハッチバックを街まで飛ばした。バザールで買った水色のアロハシャツ。細身のホワイトデニム。起きがけに鏡を見て確かめた。黒染め…

標的

アレクの提案を、カルラはあっさり受け入れた。明日の朝10時、レスメンナヤ通りのカフェで。カルラが望んだ待ち合わせ場所は、市内で最も静かな通りだった。水没した湿地に杭を打ちこみ、ケーブルで吊るした極東のヴェネツィア。オフシーズンの別荘地からは…

こんな勝負ができるものとは! その9

デッキ診断あるある。 俺のブログをトリシャさんが訪れたのは、寒さの極まった2月の頭だった。 彼女は初めから恐るべき理解力を発揮し、そして驚異的なデッキを作り続けてきた。 理想に傾きすぎる嫌いはあるが、そのアイデアは紛れもなく一級品だ。 「うち…