というわけで、いろいろ検証してみました。
まずは、宣伝の側面からです。
1.あのオマケは釣り?
CCGはやはり、キャラクター商品です。
キャラクターを作った会社が得をしなくてはいけない。
その点、大量にカードを買わせすぎるヴァイスは、
ユーザーを遠のけてしまい、
キャラの利益を損なう可能性があります。
しかし、それは、もともとのキャラのファン、
それもグッズを片っ端からあつめるヘビーユーザーの場合だけ。
最近は、ライトヲタクの方がむしろ増えている傾向にありますから、
そもそもプレイマットやスリーブが魅力的に見えるかどうかが、
かなり怪しいところなのです。
カードゲームのためにプレイしているガチの人にとっては、
まさしくオマケ以外の何物でもありません。
従来のオマケ商法で問題になっていたのは、
「強いカードをオマケにすることで、資産ゲーを促進させる」
行為、
つまり、見栄のためについつい買ってしまうプレーヤーを狙い、
置いて行かれたくなければ買え!という商売です。
弱くなって、皆に馬鹿にされるのだけは御免ですよね。
今までの苦労と投資を無駄にしたくないというのもあります。
今回の場合、雑誌にカードが付いているのではなく、
カードにグッズが付いてくるわけで、
資産ゲーを加速させるようなことはないと思います。
むしろ、コレクターにとってはトレカとしてのやり応えを、
プレイヤーにはカードゲームとしてのカードの絶対量を、
それぞれ提供しすみ分けつつ楽しませる効果があるのではないか、
そんな気がします。
2.スパロボ効果について
私は、スパロボをするまで、08戦線を知らなかったのですが、
ゲーム中にシローとアイナが出てきて、
「いつごろのアニメなんだろう」と興味を持ちました。
こうした方はほかにも大勢いるらしく、
ゲームが一つの宣伝になっているという現象が見えます。
ゲームに特定のキャラが出ているから、ゲームを買うという場合、
これはキャラを消費していることになりますが、
無数の作品のキャラクタが出てくるオールスター戦の場合は、
話は別です。
作品Aのファンが、作品Bに興味をもってくれることもありますし、
ゲームがベテランシリーズともなれば、
タダでも出演させたいという制作者もいるはずです。
カードゲームのキャラクターたちも、カードの価値を上げる一方、
カードから作品への「リンク」をつなぐ役割があるのです。
3.オマケによる宣伝
ゲームに、別のゲームの体験版が付いてくることがあります。
まさか体験版欲しさにゲームを買う人はいないでしょう。
この場合、体験版は、体験版になっているゲームの宣伝です。
そもそも、オマケには宣伝としての効果が期待されることが殆ど。
オマケが欲しければ買え!!というものは少数派です。
勿論、「漏れのコレクションからプレイマットを欠かすわけには」
という方にとっては、非っ常~に厳しい試練が待っていますが、
オマケが出回って、キャラが身近になる客層もあります。
また、カートン特典に関しては、単に話題性のためのもの、
という位置づけもできます。
「何か、馬鹿な企画をやってるゲームがあるな」
とでも思ってもらえれば、それだけ宣伝効果が上がるのですから。
4.ヴァイスシュバルツの客層は?
さて、ヴァイスのプレイヤーは、どんな方を狙っているのでしょう?
キャラよりのヘビーユーザーでしょうか?
ゲームよりのヘビーユーザーでしょうか?
キャラよりのライトユーザーでしょうか?
ゲームよりのライトユーザーでしょうか?
ヴァイスのゲームから、読み取ってみましょう。
ヴァイスは、エネルギーとライフが負の相関をもつ、
いわばチキチキレースのようなゲームです。
また、派手なカードが多く、そのためにゲームも大味です。
開発者も「楽しめる運ゲー」と言っているくらい。
つまり、競技性を落としつつ、演出に力をいれたTCGなのです。
これは、ヘビーユーザーとライトユーザーの溝を埋める、
初心者が参入しやすい環境を維持しつつ、
ヘビーユーザーにも一応楽しめるゲームにした、ということですね。
一方、キャラクターに関しては、複数の作品から来てもらっていて、
すくなくとも特定の作品のファンに絞って売っているわけではない。
そんな理由からこのゲームは、
双方のライトユーザーを集めて買わせるゲームといえます。
キャラにとっては、宣伝の場としての意味が大きく、
消費の場としての色はそんなにこくありません。
まあ、ヘビーユーザーは報われませんが・・・
というわけで、ヴァイスは意外と大丈夫かもしれない、
というお話でした。
いや、ヘビーユーザーの方には本当に厳しい特典なのですが、
それは、ヘビーユーザーの方にとっては、避けては通れぬ道。
折れるか、意地を張るか、ふるいにかけられる運命なのです。