ふたり回し

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俺のターン!手札がないから2枚ドロー!

子供たちが、時々DMモドキをしていることがあります。

時に彼らは揶揄され、弾劾され、幸か不幸か、「修正」されることもあります。


しかし、ふたり回し論的見地から言わせてもらえば、

彼らの行為は、ただのルール違反ではない

新たなルール、いえ、新たなゲームのの創造でもあるのです。


DMモドキとはすなわち、DMのカードを使ったDMにあらざる遊び。

手札がなければターン始めに2ドロー、

マナ総数が基準で、マナタップしない、

その他にも、さまざまな「ルール違反」があります。


勿論、彼らのDMモドキは、もはやDMではありません。

まずもって、エンジンやらアドバンテージやらが崩壊しています。

これではDM本来の楽しみにも、環境のバランスにも、

子供たちは永遠に出会うことができません。


しかし、彼らのゲームは、意外とうまくいっているようです。

それは、彼ら自身、弱いカードしかもっていないから。

強いカードを判別できていないということもあるでしょう。

(そもそも、DMモドキの強いカードが何なのか、私にもわかりません。)

逆に、DMでの強いカードを見分けられない、持っていないという、

彼らのもつハンディキャップを埋めるためには、

あり合わせのカードで最大限楽しむためにはどうしたらよいか。

そこから出発した、彼らなりの工夫とも取れます。


子供が、自分たちが楽しむために遊びを工夫していくことは、

そして新しい体系、一つのゲームを作りだすのは、珍しいことではありません。

それは、子供の立派な文化的活動なのです。

ごっこや、新しいところで「いっせーのーで」も、

そんな活動の中で創造され、体系として確立されてきた遊びです。

その点では、

MTGを立ち上げたスタッフの苦労をなぞっている、

そう言えるかもしれません。


無論、DMをしようとしている相手にDMモドキを仕掛けるのはいけません。

バスケで「リードブロック」してはいけないのと同じです。

DMというゲームの楽しさに気付く機会も、奪われてしまうでしょう。


彼らのDMモドキは、決してDMなどではない、

彼らの編み出した、「新たしい」遊びなのですから。