あと少しで、完成のめどが立つ。
動きを意識して、形にしていきたい。
二羽の怪鳥は、まったく引き離されていなかった。
それどころか、距離を縮めてきている。
予想外の戦況に、歯車が狂い出す。
わが目を疑った一瞬が、風音にとって最も大きなミスだった。突き当りだ。風音は完全に旋回する機会を失った。
戦慄に視界が覆われたその時、一筋の光が見えた。
阿那をロールさせ、無我夢中で体をねじ込む。
風音の眼には、もはやそれ以外何も映っていなかった。
阿那の腹が壁面にかすり、焼けるような痛みが走る。
開けた視界には、北の広場が飛び込んでくる。
以前にも、何度か通ったことのある裏道だった。
一話より切り抜き。
スリリングにするために、小刻みに句読点を打っていく。