初めての強敵に、風音と共に苦戦中。
把華を追って奔る虹の間に、一瞬の間隙が生じた。
翼端を捻って亜邦をロールさせながら、間合いの中に滑り込む。
《もらった!》
真珠のような外郭に、突き立てようと伸ばした爪に、持てる力を注ぎこむ。
張りつめた一瞬の中で、緩慢に近づく敵。
勝利がゆっくりと近づいてくる、
そんな錯覚に襲われた風音は、かすかな異変に気付かなかった。
『目覚める傷痕』より
あと少しと思っていたら、ものの見事に詰まってしまった。
緩急をつけていくのが、本当に難しい。
なるべく早く提出できるよう、勢いに乗らなくては・・・