前回の記事はこちらです。
レシピとしてのデッキ、材料としてのデッキ、料理としてのデッキ、
三つのデッキが、交錯しながら、
「個性」という言葉との関係から逃れようとしていきます。
そんな中で、見直すべきは、「レシピ」というネーミングでしょう。
・作曲家は楽譜を自慢する
自慢するかどうかはさておいて、
作曲家の、例えば評価などは、「作った」曲で決まりますね。
実際に「演奏」するのは、別の人、どころか、オケですから、
一人でやれと言われても、なかなか厳しいものがあります。
デッキは一人でも使えますが、
デッキレシピの扱いというのは、
レシピよりも楽譜(スコア)に近いような気がします。
デッキレシピの時点で、完成されたものとして受け入れられ、
評価を下されるのは、楽譜と同じですね。
ただし、音楽における楽曲というのは、楽譜だけではなく、
演奏との二段構えになっています。
カードゲームの場合も、プレイングは勝敗を決定する要素ですから*1、
プレイングに対してビルディングが優位を持っている現状は、
すこしアンバランスなのかもしれません。
プレイングの定義を、
デッキを「使う」営みではなく、
「実現する」営みとして捉えてみるのも、悪くはないでしょう。
ましまろさんのおっしゃる通り、
歌っている人が違えば、歌も変わってくるのだから、
「コピー」ではなく、「カバリング」です。
・レシピとスコアの役割
さて、料理や音楽を、記号にして書きとめておく、
その最大の目的は、一体何でしょう。
形を与えて、残しておくことも、目的の一つでしょう。
公開して、「元祖」の証明にすることも、大切な役割です。
直したり、解析したりする手がかりにするためかもしれません。
しかし、その最大の目的は、おそらく「コピー」できるようにすることです。
その料理を食べたことがない人が、その曲を聞いたことがない人が、
その味、音を再現するために、
レシピやスコアといったものが作られるのではないでしょうか。
少なくとも私は、
「この『デッキ』を再現して、楽しんで欲しい」
と考えながら、デッキレシピを作っています。
・『カバリング』を生かす方法
その前に、皆さんにご覧いただきたいレシピがあります。
【デッキ】ドレイクビート - デュエルマスターズ DMvault
うちの常連さんの、poscamさんが作成されたデッキで、
試作段階のときには、
「カゲロウノキズアト(仮」という題で出展されていました。
当初は、「陽炎の傷痕」の墓地が増える構造*2にサインを絡めて攻撃する、
というデッキでしたが、
今はそこにバイケンを絡めて、
アントワネットやタイフーンをハッタリに使える形へと大きく変化しています。
この構造は、KARAKURIぎゃらくしぃでご紹介したもので、
KARAKURIぎゃらくしぃも覚えていてくださったのかな、と私は期待しています。
こんな風に、他の人のデッキを使ってみて、
うまいと思った部分を、別のカードを使って派生できるようになれば、
新しいデッキが誕生することになります。
ですから、この場合は、「陽炎の傷痕」の応用よりも、
「KARAKURI」の応用の方が、高度な技術ですし、私もそちらをお勧めします。
「○○に××を投入しました」という改造よりも、
ノウハウやテクニックを抽出する模倣の方が、
ずっと生産的で、面白いアレンジメントですよね。
「ふたり回し」のデッキレシピに、プレイングの解説が少なくて、
不便に思う方もいらっしゃるかもしれません。
でもその分、レシピがいかにして作られたかは、しっかりと書き込んであります。
デッキの思いつき方や、応用しやすいテクニックなど、
新しいデッキを作るための情報を、いかに提供するか。
「脱、初心者」
「デッキを作ってみよう!!」
「豆知識」
で御紹介した情報の、いわば実演の場所として、
私は「サンプルデッキ」を活用しています。
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