ふたり回し

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2P waiting....

ましまろさんの記事には、「デッキは道具」とあります。

この記事に対して思うところがあったので、

いくらかまた書き足すことにします。


前回の「レシピとスコア」では、

デッキを料理や楽曲に見立てて分析を進めました。

しかし、デッキで「戦う」という行為は、

料理や楽曲には当てはまらない要素です。


「戦う」というからには、

自分の予定、作戦を進めるだけでは、うまくいきません。

相手の邪魔をしたり、相手の邪魔をかわしたり、

駆け引きの要素が出てきます。

ですから、臨機応変に動けることも、

デッキにとって重要なステータスの一つなのです。

料理や楽曲にも、その場に応じた多少の変形はみられますが、

相手に応じて戦い方を変えるのに要求されるデッキの柔軟性は、

それとは比べものにならないものです。


以前にも、デッキとデュエルの関係に関して述べたことがありました。

デッキの追従性 - ふたり回し

この記事では、デッキを手になじませることの大切さ、

臨機応変に戦えるデッキにすることの大切さを取り上げました。

このときは、デッキをMSに例えましたが、

実戦におけるデッキとテュエリストの関係は、

まさにMSと操縦者の関係と言えましょう。


・身体感覚への刺激

デッキを変えることは、

MSを変えること・・・といっても実感はわきませんよね。

ゲームの使用キャラクターを変えたり、

機械を動かしたりすることに、感覚が似ている気がします。


スティックを傾けると、体が前に進んだり、

ブレーキを踏むと、フロントにグリップが移ったり、

いつも自分を思い通りに動かしているのとは、

全く別の方法で事を運ばなくてはなりません。


こうした、ルールによるプロトコル*1の変化は、

人間にとって非常に強い刺激になります。

普段はしない動きを、うまく行うためには、

スティックを倒すことと、前に進むことをつなげることが、

体の中に新しい感覚を作っていくことが重要です。

身体感覚を、別の身体感覚と取り換えること。

自分の体を、他の身体と取り換えることが、

ゲームや運転の楽しさにつながっています。


・デッキはデュエリストの身体

デッキを使う楽しさは、このプロトコルの変化にあります。

カードをマナにおいたり、場に出したりすることに、

特別な意味を与えることで、

デュエルの中だけで通用する、新しいプロトコルを得るのです。


また、デッキの内容によっても、できることは変わってきます。

ドローが多ければ、自由な動きが可能になるし、

マナブーストをすれば、素早い動きが可能になりますね。

ですから、デッキはデュエリストにとっての身体そのもの。

器用にするのか、パワフルにするのか、

そこはデュエリストのさじ加減です。

派手なコンボもいいけれども、

エンジンが面白いデッキ、動きが面白いデッキも、

たまには悪くないですよね。


・「デッキ」が姿を現す時

40枚のカードを眺めていても、デッキの姿は見えてきません。

デッキの姿は、

デュエルの中、デッキを通した駆け引きの中で、

初めて見えてきます。

速攻にランデスが当たれば、

それは「なんだか分からないデッキ」。

クリーチャーコンに除去型のコントロールが当たれば、

「どうしようもない強敵」かもしれません。


相手のデッキは、自分のデッキを通してしか見えてこず、

自分のデッキは、相手のデッキを通してしか見せられない。

そして、二つのデッキを繋ぐのは、

二人のプレイングに他なりません。


デッキが完成するのは、

40枚が決まったときでも、40枚がそろったときでも、

40枚がシャッフルして積み上げられたときでもありません。

あなたの一手一手こそが、デッキを実現していく唯一の魔法です。


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*1:世界の枠組み、決まり