先日のチャット会で、「DMはカードパワーが高い」とのご指摘がありました。
「カードパワーが高い」というのが、
パワーの開きが大きいことを指しているのか、
全体的に派手であることを指しているのかは、私にはわかりません。
ですが、
「DMのカードには、他のカードより全面的に劣っているカードがある」
というのは、非常によく問題にされます。
この問題に対してはさまざまな回答があり、
ある人は、「デッキにとって最適なカードならばパワーが低くともよい」
またある人は、「イラストやテーマで絞ってデッキを組むと楽しい」
「妙にフレーバーが好きだ」という人もいます。
今回私が気になったのは、
こうした意見が、どれもネット上に公開されているレシピ、
すなわち、カード資産の限界のないデッキ作りに際して述べられているということ。
私たちヘビーユーザーからすると、シザーアイは戦力外のカードです。
他にも、冗談にしかならないカードは、たくさんあるでしょう。
しかし、デュエリストの中には、
シザーアイしかスピードの合うカードがない、
それくらいのカードプール*1で戦っている人もいるはずです。
友達の家で、くすぶっていたカードをもらって帰り、
バニラの山からデッキを作って、兄弟と遊ぶ楽しさは、
「メタゲーム」や「最驚デッキ」の彼方に私たちが置き去りにしてきた、
宝物の一つです。
いつだったか、
「あの頃には戻れない」という記事を拝見して、
とても懐かしい気持になったことをよく覚えています。
そんな私たちを、原始的なDMに立ち返らせる、そんなイベントがあります。
それは、リミット10。
リミット10の持つ独特な熱気の正体は、
私たちが置き去りにした何か、
DMを始めたころ、いつも私たちのそばにあった何かです。
ですから、リミット10はある意味で、私たちが童心に帰ることができる、
数少ない機会の一つなのでしょう。
限られたカードの中で試行錯誤を繰り返し、
「これならぎりぎりいけるかもしれない」とカードを並べ始める。
本来のDMプレイヤーであるコロコロ読者層にとってのDMは、
本当のDMは、きっとそのようなゲームなのだと思います。
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*1:選べるカードの母集団