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カードの使用条件とデッキの機能分化―2

今回は、デッキの中の機能がいかにしてカードの使用可能性を増加させるかをご説明いたします。

これまで「エンジン」と呼ばれてきた部分ですね。

これを含めて99項目、あと一息で100回達成です。


・カードの使用可能性を増やす3つの方法

遅いデッキは、機能分化によってフィニッシャーの使用可能性を上げているとお話しました。

それでは、具体的な方法は一体どのようなものになるのでしょうか。

第1回の図を眺め直して、考えてみましょう。

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この図には、カードの使用可能性を取り囲む壁が3つありますね。

外側の壁、内側の壁、横側の壁です。

外側の壁は、手札に加えることができなかったカードに由来します。

内側の壁は、マナ不足のために使えないカードに由来します。

横側の壁は、デッキの中で割かれているスペース、諸事情により使えなくなったカードに由来します。

(この場合の諸事情とは、ハンデスされたり、マナに置かれたりすることを指しています)


となると、カードの使用可能性を増加させるためには、これらの3つの壁を乗り越える必要がありますね。

・手札に加えるカードを増やす

・マナを増やす

・出てこないカードをサーチする、あるいは使えなくなったカードを回収する

3つの壁を乗り越えるための、3つの方法。

これが、今回のテーマです。

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また逆に、相手のデッキが持っている壁を分厚くすることで相手を妨害することもできます。

こちらは、次の回に回すことになるでしょう。


・ドローによるカードの使用可能性の増大

外側の壁を乗り越える方法が、ドローです。

ドローによって手札を増やすことで、ドロー以後に使うカードの使用可能性を増やすことができます。

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ドローにスペースを割くなら、攻撃できるカードを増やすべきではないかと考える人もいます。

確かに、ドロー用のカードを投入した分デッキの中のスペースが減ってしまいます。

ですが、ドローは完全なお荷物などではありません。

この外側への膨張が、横方向の縮小に勝っているからこそ、ドローを行うことに価値があるのです。



マナブーストによる使用可能性の増大

内側の壁を乗り越える方法が、マナブーストです。

早い段階でマナを増やすことで、重いカードの使用機会を増やすことができます。

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先手を打てるかどうかだけで、勝敗は大きく傾いてしまうもの。

ブーストしないデッキが抱えているハンデは、決して小さくはありません。


ブースト以外にも、特殊召喚やコスト軽減など、マナの負担は様々な方法で解消することができます。


・サーチ・回収による使用可能性の増大

機能分化によって横方向へカードの使用可能性が増大するというと、おかしな話に聞こえるかもしれません。

新たにを投入すれば、その分のスペースが失われ、横方向へのカードの使用可能性は縮退します。

ですが、横側の壁を乗り越える方法は、確かに二種類存在します。

それは、カードをサーチする方法と、回収する方法です。

サーチカードや回収カードは、他のカードの5枚目、6枚目に転換することができます。

サーチカードを引き当てるということは、デッキの中の好きなカードを引き当てることを意味します。

また、回収カードを引き当てることは、墓地やマナの中の好きなカードを引き当てることと同義です。


例えば、3枚投入されたカードの内、2枚がハンデス等により使えなくなったとしましょう。

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墓地回収カードが出てくれば、2枚の内1枚を使えるようになりますね。

勿論、他のカードにも同じことが言えますから、墓地にあるカードの数だけ、選択肢があることになります。


ただ、回収カードは回収先のゾーンに、サーチカードは山札に欲しいカードがなくては使ってもしかたありません。

使えるタイミングが限られているので、注意しましょう。



第3回は、やや駆け足での説明になりました。

手札の減るマナブーストと、手札の減らないマナブーストの違いがうまく説明できていませんね。

「手札を消費する」という観点から見直すなら、第5回で新しく取り上げる必要があるかもしれません。


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