ふたり回し

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一か月ぶりの中間報告

模擬戦に入ってから遅遅として進まないのはどういうことか・・・

ScarletStreamの第5話)


 無理をせずに岩澄を追いまわしながら、風音はじっくりと隙を窺った。相手が向きを変える度、『椏殻』を二発ずつ打ち込む。相手も粘るが、当たるのも時間の問題だった。右に左に、上に下に、弧を描いて絡み合う軌跡が、終わった勝負を飾り付ける。他の隊員が相手ならば華を持たせる所かもしれないが、この愚か者には付き合ってやる暇もない。風音は旋回半径を抑えて、一気に距離を詰め出した。

 間隔が狭まれば、破羅輪呪が届くまでの時間も縮まり、当然当たりやすくなる。十分引き付けて打ち込んだ『椏殻』が相手をかすめる。手ごたえを感じて続けざまに攻撃するが、二発目もなぜか外れてしまう。気を取り直して放った三発目も、当たりそうで当たらない。距離は詰まっている。十二分に追い詰めている。いつ当たってもおかしくないどころか、当たらないはずがない『椏殻』が、立て続けに外れる。黄色い空に浮かんだ影が、フォークの先をかすめて踊っている。次第に強まる風の隙間に、不協和音が充満していく。間近に捉えたはずの敵が、視界の外にふらふらと逃げ出す。



調子に乗って深追いしたために、勝機をとりこぼしてしまう風音。

自分より小回りの利く相手を追いかけるのは頂けない。

本文は逆転されるところまで持って行けたので、後は最後の賭けを仕上げれば格好は付くだろう。

何とか8月に入るまでに・・・何とも悠長な話だ。


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