ふたり回し

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独房の転換

ScarletStream第4話より。

禁固にあった二人の会話から。


「恨んじゃいないが、まあ、ショッキングだったからな。よく覚えてるよ。おかげで反応できた。」

 岩澄の声は、心なしか震えていた。薄汚れたシーツをつ握りしめ、小さくつぶやく。

「あんな・・・」

 小枝の折れる音とともに、あかりが薄闇に締めつけられる。食い込んだ指先から伝るぐったりとした肉の重みに、風音は反射的に手を離し、皺の寄ったシーツから飛びのいた。

「あんなことができる奴は他にはいねーよ。あいつがそう言った。俺も、俺には真似できないと思ってる。それができる奴だか

 ら、あいつはお前に、お前のおかげなんだって、あいつが言ってたんだぜ?」


詳しくは第1話を参照のこと。

候補生時代の風音の交友関係は、回想にあまり頼らずに小出ししていこうと考えている。

風音が玄谷の転機にどうかかわったかについては、後ほど。


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