ロールアウト当初からキズアトで使い続けているアントワネット。
今でこそマッドネスのおかげで一定の評価を得ていますが、当時はなかなか厳しいカードでした。
・マッドネスの代名詞
と言ってしまうと、ヒャックメーとバイケンのイメージが強すぎてかすんでしまうかもしれません。
ですが、マッドネスを戦えるデッキに押し上げたのは、アントワネットやビートルーダーです。
それまで守り一辺倒で、攻めに役立たなかったマッドネスが、攻撃の手段と化した瞬間でした。*1
バイケンはもちろん強力ですが、バイケンはあくまでデラセルナなどの強化版です。
デッキの形を作ったのは、アントワネットだと考えて間違いないでしょう。
・キズアトの系譜
マッドネスをテーマにデッキを組んだことがないわけではありませんが、やはり私にとってアントワネットは「キズアト」の鉄砲弾です。
スウザを活かして速攻を、と思い至ったのは不死鳥編が始まったばかりのころです。
そのころは低コストのティラノが少なく、悪名高いブラストボールドラグーンまでもが投入されていました。
それでも、ごく早い段階でマッドネスは組み込まれています。
トリガーで出せて爆発力のあるティラノが、ガウスブレイザーくらいしかいなかったためです。
その後、極神編で加わったのが、アントワネットでした。
アントワネットはキズアトにとって重要なカードではありましたが、そこまですぐれた働きを見せたわけではありません。
アントワネットを絡めることで、攻撃の保険にがウズブレイザーを使えるようになります。
SA化やフレアフュージョンなど、増えた手札をはける手段もティラノには備わっています。
しかし、一発でバトルゾーンをひっくりかえせるかというと、それは無理な話です。
アントワネットに向けられた期待は、「水マナを確保できる3コストのティラノ」程度のものでした。
事情が大きく変わったのは、「マッドネス」がひとかどのデッキになったとき。
すなわち、バイケンがロールアウトされた、戦国編第二弾においてでした。
バイケンの脅しが効いて、アントワネットを活用したトリッキーな攻めが初めて可能になったのです。
・バウンスの意味
キズアトにとって、アントワネットのバウンスは長い間おまけであり続けました。
ブロッカーをのかせるにしても、相手の攻め手を減らすにしても、よくて効果は一手分。
ハヤブサマルにぶつかったときなどは、予期していてもげんなりせざるを得ませんでした。
ところが、覚醒編になって、バウンスにも一定の効果が見込めるようになりました。
超次元クリーチャー相手なら、バウンスでも十分な威力が期待できます。
アントワネット一匹でドロマーを手こずらせるのは、なかなか爽快です。
キズアトにとっても、もちろん普通のマッドネスにとっても、アントワネットはますます重要なカードになりつつあります。
干されがちなPIGクリーチャーの中でも、際立った力を持つアントワネット。
大きなクリーチャーをばらまくマッドネスは、ビートダウンの武器としては最大のリスクとリターンを持っています。
トップメタ、とまではいかないまでも、アントワネットが環境に与えた影響を無視することはできません。
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