ふたり回し

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各ゾーンの宇宙的解釈(下)

容赦なく電波でマニアックな宇宙論シリーズ最終回。

デュエルによって再現される宇宙の遊動の秘密が、ついに明らかになります。


私が語りうるのはデュエルの中に現れる精神宇宙で起こることのほんの一部に過ぎません。

デュエルの真実は、生きたデュエルの中で初めて垣間見ることのできるものなのです。

しかし、ここにいくばくかの道しるべを残しておくことは、後の修行者にとつてもいくらか有益なことでせう。

それでは、最後のお話しを始めたいと思います。

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おさらいついでに、各ゾーンの立ち位置を確認しておきませう。

1.山札・・・未来の領域、神の層

2.手札・・・現在の領域、魂の層

3.マナゾーン・・・過去の領域、魂の層

4.バトルゾーン・・・過去の領域、肉体の層

5.シールドゾーン・・・未来の領域、肉体の層

6.墓地・・・過去の領域、魂の層


山札に与へられた意味は、宇宙の予定、運命です。

隠されたカードは兆しとして山札から到来し、宇宙の意思をプレイヤーに伝へます。

未来-現在への運動は不可避の自由落下のやうなもので、人の手によって押しとどめることは適ひません。

プレイヤーがターンの初めに必ずドローしなければならないのは、まさにこのためです。


手札はプレイヤーにとっての現在であり、主体の思考、自由を表してゐます。

プレイヤーは山札から託された兆しを読み取り、手札を使うことで行為する主体となります。

プレイヤーが自由に操作できるカードはまさに手札のみで、一度手札を離れたカードは簡単には元に戻りません。

カードは手札を離れることによって過去となり、宇宙の運行に実際の力を与へ始めるのです。


マナゾーンは、手札と同じくバトルゾーン-行為にとって欠かせないものです。

間接的に物的宇宙に影響を与へる-心的宇宙に属するという点で、手札とマナゾーンは似通つてゐますね。

しかし、真のオカルト者は手札とマナゾーンには決定的な違ひがあると云ふことを押さへておかなければなりません。

マナゾーンは手札と同じく魂の層に属しますが、現在ではなく過去に属してゐるのです。

過去の魂-すなはち、記憶、過去の決意は、行為を実行、継続せしめる力。

手札を離れた意思は決意となつて、思考、判断を形にする手助けを行ふのです。


バトルゾーンについては、すでにお話しした通りです。

物的世界の過去に属するバトルゾーンには、あらゆる物的、心的、霊的な過程が反映されます。

思考-手札と決意-マナによつて実現された行為-キャストは世界-バトルゾーンで結実する主体の働きかけ。

(ここで用ひる世界とは、物的世界のこと)

バトルゾーンは最も表層的な肉体の層に在り、オポーネント-他者と共有される境界面でもあります。


シールドゾーンを語る上で気をつけなければならないのは、相手のバトルゾーンからの働きかけです。

シールドは手札に先行しますが、シールドはバトルゾーンに先行されてゐます。

過去からの物的な力による未来への影響―それは、機械的偶然に他なりません。

機械的偶然は運命が内奥から訪れるのに対し、極めて表層に近い-肉体の層からやつて来ます。

シールドブレイクは大いなる還流の終着点でもあり、起点でもあるのです。


最後に、墓地について御説明いたします。

墓地が有つ象徴としての機能は、まさにその名の通り滅びに他なりません。

役目を終えた行為の残滓は、物的世界を離れて再び神の層に還つて行きます。

墓地に流れ着ひたカード共は光の届かぬ深淵に澱のやうに積み重なり、その旅を終えてしまいます。



先にも述べたとおり、ここに記したのはデュエルの象徴的作用のごく一部にすぎません。

言葉で語ることのできることは限られています。

ですから皆さんには、デュエルの中で、デッキ作りの中で、是非宇宙の声に耳を傾けて頂きたいのです。

さうすれば、きつとデュエルの内奥で起こっている宇宙の再現を目にすることが出来るでせう。


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