今はそれほどでもありませんが、
少し前まで、CIPクリーチャー以外のクリーチャーを見かけることは、
非常にまれでした。
というのも、ついこの間まで、
エターナルガードや、母なる大地といった、
3コストの強力な除去呪文が広く使われていたためです。
どんなに強力なシステムクリーチャーがいたとしても、
次のターンにはマナかシールドに追放されてしまう環境でした。
これらのカードが現れたのは、聖拳編でした。
除去が苛烈になり、特殊召喚方法が増え、
そして、強力なCIPクリーチャーが現れたエキスパンションです。
パワーインフレが起こり、「ブーストデッキ」が誕生したのも、
この頃です。
そのため、クリーチャーを使い捨てる風潮が高まり、
当時は、ミストリエスも一線を退きかけていたくらいです。
フィニッシャー以外のクリーチャーほとんどはCIPクリーチャー、
残りが呪文で埋め尽くされたデッキがほとんどでした。
また、母なる大地を使うための、いわば生贄として、
使い捨てのCIPクリーチャーが重要だったことも、
忘れてはなりません。
そして、その傾向は、極神編になって加速しました。
その完成形の一つが、「ロマネキャンセル」ですね。
ザールベルグ、ザーディア、ロマネスク・・・
母なる大地によって、クリーチャーというよりも、呪文を複製、
ひたすらに叩きつけるというデッキでした。
当時は、そんな余裕はありませんでしたが、
今になって振り返ってみると、
あれこそが、聖拳編以降のDMメタゲームの権化だったのかもしれません。
今日、除去カードが大型化したり、
トリガーからシノビへと防御手段が変化したことによって、
また、ハンデスが以前よりも厳しくなったことによって、
DMの中心は、マナと手札からバトルゾーンへと移動しつつあります。
また、城やシールドフォースも、
バトルゾーンの厚みに新たな意味を加えています。
今、DMは新たな時代を迎えようとしています。
それは、クリーチャーと、そしてバトルゾーンを見直す時期、
そして、個々のカードの価値基準が、反転する時期でもあります。
私たちにできるのは、手探りで道を進むこと。
新しいコンボを試し、新しいデッキを試し、新しい定石を築いてゆきましょう。
大きく揺れ動く地平の果てに現れた光を、つかみとるために。
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