ふたり回し

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I-951c

ノズルがいまいち。

フロックのパーソナルカラーのせいかもしれないけど。

警察・民間向けドローン迎撃用ドローンの草分けであるモデルI-951の最新型。

型番やコンセプトこそ同じだが、ノズルの形式や外装の形状などは二度のアップデートにより一新されており、ブロックaと共通のパーツは若干6%に過ぎない。

 

そもそもMQ-51がI-951として民間向けに販売されたのは、既にモデルそのものが陳腐化し、技術流出の心配が薄れたためである。

MQ-51の開発当初想定されていたドローンに同士よる施設内の戦闘は発生せず、寧ろ非正規戦闘の前線では警備の手薄な屋外に於ける待ち伏せや遊撃が主流であった。

結果としてMQ-51の対電磁防護回路は単なるデッドウェイトと化し、重戦車のような本機は部隊の護衛に不適、一時は「倉庫番」の汚名まで着せられた。

特にMQ-60の導入以降、ドローン迎撃戦闘のドクトリンは前線維持から遊撃へと移行し、現在も迎撃ドローンの主流は大型のプロペラを備えた高速型である。

I-951も発売当初は対抗機種が少なかったこともあり米国内を中心に堅調な売れ行きを見せていたが、やがて小型軽量な外国製ドローンに市場を奪われ、グローバル・セキュリティ自身がI-960の販売に踏み切ったことでついに生産終了。

I-960の充電システムを流用したブロックbも発売されたが、全く振るわなかった。

MQ-51に再び光が当てられたのは、皮肉にも武装組織側に迎撃ドローンが普及し始めたことによる。

対人攻撃ドローンの護衛として迎撃ドローンが用いられるようになると、対ドローン戦闘の様相は一変、MQ-51開発時に想定された状況が急速に現実化しつつあった。

メーザーの直撃に耐え、かつ強力な電磁波を照射可能なMQ-51は施設防衛、敵拠点への突入などに活躍し、火器以外にも侵入に必要なディスクカッターやIED設置アームなど多彩なオプションが開発された。

I-951も同様に押収や逮捕などの攻撃的な任務で活用されたが、MQ-51は基本設計が古く、高性能化の要求から開発されたのがこのブロックcである。

 

I-960と比較した際のI-951の最大の特徴は、その機体規模である。

後発モデルであるI-960の4倍近い重量を持ち、対電磁防護回路と大型のコンデンサーを備えたI-951は戦車に例えられる。

MQ-51のオプションはそのまま運用可能で、戦闘以外にも様々な工作、支援が可能。

標準装備の超短波発振器はレーザー媒質利用型ではなく、サイクロトロン型である。

強靭なサイクロトロンで発生した電磁波をパラボラアンテナで広範囲に投射し、動目標への攻撃を得意とする。

電磁波発振装置だけでも、マルチアレイ型や長射程メーザー等多数の機器が開発された。

 

本機は動力も強力であり、機体中央に大型の同期電動機を備え、遠心式圧縮機からの排気を導入することで推力偏向を可能とした。

ブロックbからの最大の変更点は、可動式のノズルが排され、より扁平な胴体に多数の固定式ノズルが装備されていることである。

全幅は30%以上増加したものの、アクチュエーターが小型化したことで20%程軽量化し、即座に推力を偏向できるため、運動性が飛躍的に向上している。

旋回速度が向上し左右への飛行が可能になったため、ターレットもオミットされた。

また直線で構成された機体形状はレーダーによって捕捉されにくく、電波吸収剤による塗装も相まって敵拠点への侵入を容易にする。