ふたり回し

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一枚考ならぬ一枚語り―龍仙ロマネスク

いつもはパッとしないカードなのに、今回ロマネスクを扱うことになり、不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。

地味なカードの好きな私ですが、このカードとの付き合いは決して短くありません。

殿堂入り後だからこそ、改めて整理をつけておく必要があるのです。


・インフレーション

ロマネスクのフラゲ情報が出回ったとき、DM界に走った衝撃はかなりのものでした。

当時は母なる大地とブーストデッキが全盛の時代。

中コスト域で大量ブーストをすれば、高コスト域のカードが無尽蔵に扱える異常事態が生じます。

サファイアやラストパトロールとは、異質な力が、このカードにはあったのです。


メタデッキ自体は好きになれませんが、私は極端な壊れカードをいじることがたまにあります。

悪乗りか、皮肉か、警句のつもりだったのかは私にもわかりませんが、フラゲ時点で組み始めたと思います。

コッコ型、青型と二種類考案して、最後に思いついたのが、ベジーズでした。



・アップルとロマネスク

おそらく、頭の片隅にはレオポル龍脈ベジーズがあったはずです。

大地とアップルの組み合わせでデッキ内のカードを全て手札にしてしまえる・・・

というと語弊が生じますが、ロマネスクの「行き過ぎた」力を転化するには、これしかないと思いました。

思い切って青を捨て、その分ハンデスを増量、バルホルスを投入しました。

紛れもない「パワーの塊」だったのだと、今は思います。


ロマネベジーズが特別なデッキになったのは、しばらくしてコンビ殿堂が発表されてからのことです。

「母なる」の代用として、ベジーズを使う意味が生まれました。

足りない部分はバベルギヌスで補いつつ、以前と大して変わらないパワーを振り回すことができました。

それ以降、ロマネスクはインフェルノサインや星域と隆盛を共にしましたが、ベジーズは健在のまま。

「見世果龍」(「世界の果てを治めた龍」「世界が滅ぶのを見た龍」)の血統が引き継がれます。



・ロマネスクの「チカラ」

私がロマネスクの中に見たのは、DMにおける「チカラ」の核心だったのかもしれません。

コストの鎖から高コスト域のパワーカードを解き放ち、デッキから一枚積みのカードを引き出すロマネスク。

「強力すぎるエンジンは大型カードの使いにくさを解消し、際限ないインフレを招く」

という持論の証明でもあり、また、くすぶる暴力の象徴でもあったような気がします。


時には四天の帝、時には冥界の王、時には楽園の支配者として語ってきた、龍仙ロマネスク

今、このカードを一言で語りつくせと言われたなら、こう答えるでしょう。

「過ぎたるもの、龍仙ロマネスク」と。


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