ふたり回し

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再開再開

気を緩めると止まってしまうので、気をつけて一気に持っていきたいところ。


 二匹の距離が徐々に煮詰まり、いよいよ逃げ場がなくなったそのとき、亜那の翼が朝日に焦げ付く冷たい空に尾を引いた。右に左に体を捻ると、まばゆい帯は大きく翻り、たなびく熱に暴れる風が爛れ出す。岩澄は器用に『闇羽羅』をよけるが、わずかな動きに途切れた鎖縛が亜那を再び捉えることはなかった。殺した速度を生かして小さく回った亜那の身体を、通灯が勢いよく天頂に押し上げる。反応が遅れた岩澄は、素早い切り返しで追いすがる。試験と同じ展開を、風音は記憶をなぞるようにして後ろ宙返りでもぎ取った。


(ScarletStream第5話)より。


第二話の幾起との決闘シーンを再現、もとい、風音が思い出したというわけだ。

風音にとっては成功済みの、岩澄にとっては初見の後ろ宙返りだが・・・このシーンが、後々役に立つだろう。



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