この直後に、今回の大一番が待っている。
随分長引いてしまったが、ここから先は駆け足で突破しよう。
幾起は風音達の往路を辿るようにして倉庫群に向かった。知人の安否が気になるらしく、岩澄はしきりに部隊の様子を訊ねている。風音はしばらく二人の話に聞き耳を立てていたが、人気のない区画に出たのを見計らって早足で幾起に追いつき、耳元で囁いた。
「玄谷、お前が置いてきぼりをくらっている間に、戦果をあげてきてやったぞ。」
ほくそ笑んで振り返るのを待っていた風音に幾起が返したのは、意外なほど不敵な笑みだった。
「置いてきぼりを食らったわけじゃないぜ。実は戦利品もあるんだ。」
ScarletStream第4話より。
この「戦利品」こそ、風音達が運ぶことになる機密物資なのだが、その正体は如何に・・・
後半はややあっさり目に進めているが、これも実験。
しっかり緩急を付けられるようになりたいものだ。
・ランキング参加中につき一日一クリックをご寄付いただけますよう。