ScarletStream第4話より。
今回は会話の分量が多い。
後から手を加えて密度を帰る必要があるかもしれない。
《おかしな話ですね。玄谷は私と同期ですよ。》
《皆が不知火みたいに目標を持って入ってくるわけじゃない。玄谷はまさにそうだった。名家の次男坊だったあいつは、それはひどい悪童だったらしくてな。厄介払いで士官学校に叩きこまれたんだと。》
幾起の不良学生ぶりは、風音も記憶している。同期はおろか、校内に知れ渡っていたくらいだ。
《それが、急に真面目になった時には驚きましたよ。》
《だから、俺も玄谷が頭を下げに来た時は、何が何だか分からなかったね。》
どうしても勝ちたい奴がいる、幾起は訝しがる岩澄に告白した。
《なるほど。そこで私が出てくると》
《実家に戻る度にお前を引き合いに出されて、相当頭に来てたらしい。弱みを握るために後を付けようとしたらしいんだが・・・》
次第に強まる風は空の上に砂塵を塗り重ね、地平線を覆い隠してしまった。順当に進んでいた岩澄の話は予想外の方向に進みつつある。
今まで通り、学徒時代の情報は、小出しにしていく。
前半のカギの一つなので、タイミングをしっかりとって効果的に使いたい。
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