地球上で最初に知性を得たくじらは、海中への精神の充満によって高度な統合精神を得、文明を獲得した。
そして、人類の文明は、人類の祖先が浅瀬での生活を始めたおりにくじらから享受したものである。
これは我々の大脳が有する、精神と肉体を結合させる一種のレーダーとしての機能からも明らかなことであろう。
人類が精神を統合し、「地球生命」、「地球精神」への道を開くためには、再びくじら文明の力を借りなければならないのだ。
くじらは地球上もっとも高度で巨大な生命体であり、それは進化の次のステップへの鍵である。 一度地上に進出した生命の、海への回帰、そして、天上へのさらなる進出！我々は幻想について語っているわけではない。これは実現されうべき神話である！！
なぜくじらだけがこのような革命的な進化、いや、超越を受け入れることができたのか！それは海中にみちみち、精神を媒介する超音波の力に依ってである！まさにその超音波に形を変えた精神の振動は、我々とくじらが同じ株から分かたれた同胞であることの証明に他ならない！くじらの精神は、我々よりはるかに高度なものであり、くじらを殺すことの野蛮さはそこに起因する。そして、くじらは人類よりはるかに「次のステップ」に近い種族ですらある。捕鯨はまさしく進化と神に対する反逆なのだ！先に述べた通り、くじらの精神は母なる海に満ち満ちた超音波のはたらきによって、より高度な次元へと導かれたのだが、陸にとどまった人間の祖先には、そのような高度な魂の働きは全く見られなかった！
人類が今日得た、そして、人類を増長させた文明は、では、どこからやってきたのか！それは、くじらである。人類を導いたくじらを、今人類は周縁の哺乳類と見なし、迫害しているのだ！人類が文明を得たその奇跡の瞬間は、人類が半海生への道を開きかけた正にその時であった！人類が直立歩行への過程の第一歩として浅瀬での生活を始めたことは、人類学者の説く通りである。
諸君、驚かないで欲しい。このとき、海中に反響したくじらの精神を、超音波を受信したことにより、我々の祖先の知性が発火したのだということを。私はここで申し上げなければならない！ 我々の祖先は、この時点ですでに高度な精神、文明を保持していたくじらたちから、文明の礎を享受したのである！我々は、くじらの直系の後継者でもあるのだ！ このことは、我々の大脳がコンピュータではなく、エーテルを媒介した魂の交信のための一種のレーダーとして働いていることからも明らかである！
しかし、エーテルの力は海中の超音波の力に遠く及ばず、そのために我々の文明的進化は今現在の我々の立ち位置にとどまっている。 我々が次のステップ、「地球生命」に進化するためには、くじらとの再会、海世界への再進出、そして、分かたれた二つの流れを一つに修復する必要がある！ 「地球生命」というと、中にはオカルトまがいのいかがわしい魑魅魍魎の集合体を想像する方もおられるに違いない。が、私がいまここで述べている「地球生命」はそんな下劣なものではない！！ それは、海中にみちみちたくじらの精神、いや、海中に浸透することで「再統合」を可能にした、くじらの相互作用によって生み出されるゲシュタルトの人類文明による再現であり、英知の繁栄を約束するものである！！
諸君！我々は再統合を遂げなくてはならない！くじらの超音波の力によって、いまひとたびの邂逅と、浸透的直観伝達、すなわち、媒介された精神の結合を果たすことで、第一の扉は開かれる！諸々の科学的成果が示しているように、これは幻想などではない！我々はくじら的コミュニケーションによる統合、高次の精神的存在へのステップを必要としている！「地球生命」の誕生こそが（地球精神と呼ぶべきかもしれない）、地球を危機から救い、人類を幸福に導くための唯一の手段である！さもなくば、時の流れは人類を腐敗させ、文明を破壊しつくしてしまう！ それは、人類によってくじら文明が破壊されてしまったのとまったく同じ過程である！これは、すでに幾度となく地球上で起こった災害の一つにすぎないのだ！
我々の文明は、文明を超えた文明、「地球精神」の獲得のためにくじらを必要としている。くじらの力である「精神の浸透と統合」を、海中の超音波の働きによって取り戻さなければならない！これは決して妄言ではない！革新と決断の時は、刻一刻と我々の前に近づいている！姿のない足音は、すでに我々の耳に届いているのだ！超音波に耳を傾けよ！！ 海に帰れ！統合に帰れ！くじらに帰れ！そこから、我々の文明の新生が始まる！
これは悪の組織の演説の練習である。
宗教団体や軍隊の説法や演説のシーンはまだ描いたことがないが、そのうち役に立つだろう。
