ふたり回し

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デザイナーズデッキが弱いわけ

先日combatirさんが最近のデザイナーズデッキの不遇についてこぼしていたので、いろいろ考えてみました。


・デザイナーズデッキの弱体化

神化編が始まるまでは、いろいろなタイプのデザイナーズデッキがそこそこ出回っていました。

サバイバーやWS、不死鳥編の5大種族、サムライ、ナイト・・・

イニシエートやガーディアン、ドラゴン、ゴースト、ジャイアントのような種族デッキもありましたね。


現在これらのデッキが、あるいは、昨今のデザイナーズデッキや種族デッキが全く見られないというわけではありません。

けれども、なんだかあまりパッとしない状態、開発側に干されている状態が続いています。

デザイナーズデッキ向けのカードが全体的に低パフォーマンスだったり、種族関係のカードが見られなかったり・・・

モジュール的に使えるカードや単体のフィニッシャーの強化と比べると、念の入りようがかなり違っています。

例を挙げるなら、ケロディ・フロッグとバイスホール(ディアボロス付き)が同じ6マナなあたり、あからさまですよね。


・デザイナーズデッキの利点と欠点

上のような問題を以前は「リニアに対するパラレルの優位」と表現いたしました。

その時は、カード間のリニアな関係性に、私はデッキ構築の面白味を見出しました。

リニアな関係性はデッキに個性を与え、構築に技術や知識、感性を求めるのだ、と。


しかし、リニアな関係性は、カードゲーム全体にとって全面的に良いものではありません。

デッキ構築以外の面を見れば、いろいろと不都合な点もあるのです。


・カードプールの新陳代謝

「古き良きサバイバー」にせよ、「正嫡のイニシエート」にせよ、デザイナーズデッキの多くは骨董品です。

入るカードに縛りがある以上、成立した時点から大きな変化がないのは致し方ないこと。

新しいカードが入りにくい、あるいは古いカードが必要なことは、デザイナーズデッキの最大の問題点です。


デザイナーズデッキが強いと、ベテランプレイヤーは買い足すカードが少なく、引退組は復帰しやすくなります。

これは即ち、ビギナーがカードを集めにくく、新しいカードが売れない状況です。

商売においてライトユーザーはヘビーユーザーに優先し、売れるカードは捨てられるカードに優先します。

となればメタゲームのカードプールはこれから出荷される新鮮なカード中心であって欲しいわけで、売ったカードは老廃物。

カードプールの新陳代謝が早ければ早いほど、市場は活性化するというわけです。


・デッキ構築という要素の不毛さ

一見当たり前のことのようですが、

「なぜヘビーユーザーよりライトユーザーの方が多いのか」

という問題も解決しておかなければなりません。


その答えは簡単。

世の中には可能性を追求する人間よりも、快楽を追求する人間の方が多いからです。

本業はともかくとして、こと娯楽に関しては、求道者になりたがる人はめったにいません。


対して、デッキの多様性やデッキ構築の何度は、ゲームの奥深さそのものです。

深みにはまることを望まないユーザーにとっては無用の長物。

その上カードゲームには対戦相手がいるわけで、浅く遊んでいては勝てない、楽しくない。

ならば、ゲームの奥深さは厳しく制限するべき対象です。

対戦ゲームにとって奥深さが絶対悪であることは、すでにグリーとディーエヌエーが証明しているではありませんか。

加えて、DMのメインターゲットがコロコロ読者層であることを踏まえれば・・・

小難しいデザイナーズデッキをプッシュする意味は、企業にとって皆無に等しいものです。




結論として、デザイナーズデッキは*1強くするべきではありません。

「DMは昨日今日始めた子供がいきなり勝負に勝てるようなゲームであるべき」だからです。

そのためにはゲームは単純であるべきだし、カードプールは新しく、互換性の高いカードで構成されるべきでしょう。


もしデザイナーズデッキが有効になる日が来るとしたら・・・

それは、日本人が突然マニアックな人種に突然変異したとき、一般人が娯楽に使うお金を持てなくなるときだと思います。


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