ふたり回し

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F-27 Trident

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コスト上の問題で前世代機の運用を続けている同盟国の多さから、ISIS掃討作戦以降、途上国でも配備、運用可能なステルス軽戦闘機には根強い要望があった。

そんな中、上海協力機構に加盟する途上国の装備が急激に増強されたことから立ち上がったのが、「演習用ステルス機開発計画」である。

途上国への配備時に周辺国を刺激することがないよう、「T-X」は表向きステルス機との戦闘を想定した訓練に用いる標的機兼練習機として計画された。

生産、整備コストを軽減するため機体を小型、単純化することが最重要視され、計画書に記載された機体規模と兵器搭載量が共に練習機の範疇を出なかったことから、発表当時に偽装を疑う者は殆どいなかったと言われる。

 

当初から爆撃能力が度外視された一方速度性能に妥協は許されず、T-27は後退角の大きな無尾翼デルタ機とされた。

無尾翼機は後縁フラップを装備できないことから前縁スラットを大型化、スラット下面にクルーガーフラップを追加装備し離着陸能力を確保されている。

主翼内のタンクは双発機に近い容量があり、ドーサル内のタンクと合わせて増槽なしで3,000kmの進出が可能。

更なる小型化のため、インテークを機首に配置しノーズコーンをショックコーン代わりに利用している。

この形式はジェット戦闘機登場時には頻繁に用いられたものの、機首レドームをインテーク内に納めなければならない都合上高性能なレーダーを搭載しにくく、第三世代以降のジェット戦闘機には適用されていない。

無人機用の小型フェイズドアレイレーダーの開発が進行して初めて、インテーク内レドームが実現した。

最終的な機体サイズはA-4と同等、機体重量は複合素材が多用されたため乾燥重量が4t以内に収まり、本機は副次的に極めて小さな翼面加重と卓越した運動性を発揮する。

 

機体が小型化されたのに対し、エンジンにはEA-24との統一化を目的にJ24-PW-201

が選択された。

アフターバーナー使用時には瞬間的に推重比が二倍以上に跳ね上がり、高高度では最高速度がM2.0に達する。

練習機であることからハードポイントは最小限にとどまり、AIM-120を2本内蔵できるウェポンベイがエンジンの両側に設けられたのみで翼下パイロンは持たない。

対地用の装備は、GBU-39やMk.82など小型の装備に限られている。

 

完成した試作機は、内側が切りかかれたインテークの形状から社内でTridentと呼ばれるようになり、当時のあだ名がそのまま公称に用いられた。

量産第一機目の納入後、T-27は名目通り国内のアグレッサー部隊に配備され空軍唯一の制空専用機として遺憾なく性能を発揮。

途上国に対してはナンバーをF-27に改めた上で次世代主力機として輸出されている。

中東や西アフリカの紛争地に突如として現れた第五世代機は一方的な戦果を上げ、国際社会に大きな衝撃をもたらした。

また平時の要撃など攻撃を伴わない任務では兵器搭載量の少なさが問題にならないことから、国内でも極地の警備隊などではF-27による旧型機の置き換えの動きがみられる。