ふたり回し

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РГД-25

陣地戦においては多くの場合決定打は擲弾であり、軽量で低コストなグレネードランチャーの需要は根強い。

一方アンダーバレル式グレネードランチャーアサルトライフルの重量増につながり、炸薬量も50g弱である。

ブルガリア陸軍は当初コマンド迫撃砲の小型化によって課題の解決を試みたものの、試作品の威力や射程は手榴弾並みに低下してしまった。

陸軍はこの結果を受けて迫撃砲の小型化を断念し、手榴弾に鎖を接続、投石機同様に振り回すという原始的なアプローチを採っている。

 

振り回す時間を確保し使用の手順を簡略化するため、アーセナルの試作品は鎖を引いて離した際に撃発するよう設計された。

投擲時の遠心力で撃針のスプリングが縮み、力が抜けると同時に撃針が雷管を打つ。

鎖の先端に蓋が接続され、暴発を防ぐとともに鎖を収納できるようになっている。

遠投に堪えるよう、撃発から炸裂までの時間は10秒とられた。

当初は投擲時の力が足りず不発に終わる事例が相次ぎ、垂らしただけで撃発しないギリギリの固さのスプリングを選定するために3か月を要している。

 

狙いがそれても目標を攻撃できるよう、防御手榴弾タイプの表面には直径26mm、16発の自己鍛造弾が装備された。

炸薬には一般的なトリナートルを用い、非装甲車両には十分な威力を発揮する。

投石式の投擲法は習熟を要するものの、熟練者は安定して150m先の目標に直撃させることができ、また目標の頭上で炸裂させる隊員も現れた。

2年ほどの試験運用を経て一般の歩兵でも有効に使用できるものと判断され、РГД-25「スリング」として配備が決定している。

ブルガリア陸軍の訓練には石投げが加わり、年に一度は錘を投擲する競技会が開かれるようになった。

配備コストが低くコマンド迫撃砲に近い効果が得られるため、РГД-25は途上国で重宝され、民兵やテロ組織への流出が問題視されている。