戦国編のカードを眺めていると、
さまざまなことに気付かされます。
ナイトは青、白、黒、サムライは赤、青、緑と、
色によってすみわけがなされています。
明確な対立構造は、不死鳥編以来。
極神編で癒着した文明を切り離そうという意図が、
ところどころに見え隠れします。
そういう点は、転生編に似ています。
転生編も、クロスギアや単色マナ効果、
進化獣強化など、減色推進の役目がありました。
ところで、この色分けには、深い因縁があります。
青白黒の三色はドロマー、赤青緑の三色はシータと呼ばれ、
DMのデッキとしては、ポピュラーな組み合わせです。
ドロマーはブロックやハンデスなどが得意、
シータは、ブーストやアタックが得意でした。
共に、トップを争ってきたデッキタイプです。
個々の能力を見ても、ナイトは呪文操作が得意で、
コントロールデッキになりますし、
サムライはクロスギア操作が得意で、
ビートダウンデッキ*1になります。
これに対し、
これまでのストーリー上の勢力の対立は、
文明のイメージ等、あくまでゲームと無関係なものでした。
そういう意味で、このナイトとサムライは、
私たちの実戦史のフィードバックの色が濃厚です。
また、カード作りの面でも、葛藤があります。
ドロマーは、相手が動いてから邪魔をするだけの、
安直で機械的なカードになってしまいがちですし、
シータは、見た目は派手でリスキーでも、
本当は強引に効果を強くし、コストを下げているだけの、
インチキじみたカードになってしまいがちです。
カードゲーム特有の、この二つの障害の間で、
バランスをとりながらカードを作っていく、
製作者の苦労を、そのまま形にしたのかも知れません。
呪文による妨害、クリーチャーによる防御からなる、
緻密なコントロールデッキ、
ブーストやスピードアタッカーの素早さからなる、
豪快なビートダウンデッキ。
私たちのデュエルを支えてきた、二つの姿勢が、
激しくぶつかります。
制作側が大きくストーリーに実戦を反映させたこと、
再び文明が切り離されようとしていることも含め、
今後の動向が楽しみですね。
*1:クロスギアは攻撃時に効果の出るものが多く、デッキは攻撃重視になる傾向があります