これまで環境の変化について触れた記事をまとめてみます。
こちらの記事で使った図表をリサイクルするので、
デュエル中の力の流れ―0 - ふたり回しをごらん下さい。
1.昨年夏以前
先攻ロストゲーが始まったのは、
クローンバイスがなくなった、まさに直後のことでした。
それまでは、
緑抜き4色でブーストせずクロバイ、という選択肢もありました。
が、ジェニーは4マナなわけで、
2、3ターン目にブーストしてから出しても、最高速。
コントロールでは、手札を枯渇させられるカードが活躍しますから、
ブーストしてからのロストソウルが大流行したのです。
その動きに対応するかのように、
今度は、フィニッシャーのサイズが小さくなりました。
デルフィンの9コストから、
ヘヴィメタの7コストに、アゴンファラオの6コストに、
ロストソウルより早く出せるフィニシャーが増え、
キング、クイーンの登場によって、
「ブースト→ジェニー→フィニッシャー→終わり」
というゲームが、DMを埋め尽くしました。
2.ソウルアドバンテージの登場
それから、ソウルアドバンテージの登場によって、
一気に情勢が逆転しました。
大量ハンデスが、フィニッシャーより軽くなり、
大地が殿堂入りして、トップデックが弱くなったのも手伝ってか、
「ロストゲー」の段階に逆戻りしたわけです。
基本、ブーストデッキは、ブーストしている前後は無防備です。
そこに、ダイレクトにソウルアドバンテージが入ると、
これはどうにもなりません。
そこで出てきたのは、
「ロストゲー」の中で生まれたのと同じ風潮、
「バトルゾーンから手札へのフィードバック」でした。
ハンデスされても、すぐに手札補充が可能なカード、
バキュームクロウラー、ミストリエスなど、
手札を増やせるシステムクリーチャーが、
もてはやされるようになります。
以前は不安定で使えないとされていたカードが、なぜ台頭したかというと、
そこに環境の変化があります。
すなわち、ハンデス基調のゲームの中で、
クリーチャーの除去が廃れていった、
除去の効かないフィニッシャーが増えてきた反動です。
3.これからのゲームの展望
そうなると、バトルゾーン中心の戦いが始まります。
ビートダウン側の動きが活発化してきたことも考えると、
「クリーチャー除去メインのコントロール」は、
不利なデッキタイプではなくなって来ているのかもしれません。
特に、赤のアンタップキル戦術に関しては、
なかなか期待させてくれます。
サインや、ニンジャストライクのために、
スクラッパーやデーモンハンドが使われにくくなったり、
城やシールドフォースのような、
バトルゾーンを展開すると対処しやすいカードが増えたり、
ゴッドや進化クリーチャーなど、
クリーチャー除去で対抗できるフィニッシャーもいますので、
WSやディアブロのようなデッキが、メタに上ってくる可能性もあります。
一方で、相手のシステムクリーチャーをハンデスする戦法も、
根強く残るでしょう。
ジェニーやパクリオは勿論のこと、
最近気になるのはナイトの動き。
ドラムトボレールのおかげで、ブーストを挟まない、
初めから呪文の連打を行うタイプのデッキが、
復活しようとしています。
クローンバイスを失って以降、
廃れがちだった「緑のないコントロール」に、
新たな展望が生まれたのです。
そんなわけで、これからのDMは、
閉塞感をぬぐいさり、新たなステージに進もうとしています。
戦国編は、記念すべきエキスパンションとして、
私たちの記憶に刻まれることになるでしょう。
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