ハンデスに対する抵抗力と、「トップの強さ」について。
以前一度扱った「トップ強い」ですが、あの時点で一つ検証し忘れた要素がありました。
それは、「ハンデス」です。
「トップデックの強さを計る」では、デッキの性質としてデッキを分析して「トップの強さ」を図っていました。
ですが、デッキ外の要素もトップの強さに影響を与えている可能性があります。
・ハンデスに対する―トップの強さ
「トップ勝負」は、自然な手札の枯渇ではなく、ハンデスで手札がなくなった場合にも生じます。
そのため、「トップの強さ」はハンデスの存在をある程度前提にして見積もる必要があります。
例えば、「白黒緑はトップが強い」という命題に対して。
実際、ネクラガーディアンやネクラギャラクシーと呼ばれるデッキが流行ったのは、大型ハンデスの流行と同時期です。
ブースト用のカードが入っている分、「トップで出てくるカード」にはハズレが多いはず。
それでも実際トップが強いのですから、そこには何らかの理由があります。
前回は、そこでデッキに入っているカード一枚一枚の威力を判断基準にしました。
ですが、今回私たちはハンデスとの関係を軸にこの問題を考えなければなりません。
・そのとき、マナは溜まっている
ブーストするデッキと、ブーストしないデッキがロストソウルを受けるとき、一体どのような差が生じるでしょう。
手札がなくなるのは、どちらにとっても同じことですが、ブーストしたデッキの方が、たくさんマナを持っています。
マナがすでに十分あれば、トップで出てきたカードをそのまま使うことができます。
逆に、マナが溜まりきっていなければ、トップで大きいカードが出てきても使うことはできません。
この差が「トップの強さ」の正体ではないでしょうか。
「トップが強い」とは、(当時には)「トップで出てきたカードがそのまま使える」という意味だったのです。
最近増え始めた小型のハンデスを連打するデッキは、しかし、ブーストするデッキを見事に駆逐しています。
これは、上で確かめた「トップの強さ」と、矛盾しているのではないでしょうか?
どちらかの命題が、誤っているのではないのでしょうか?
勿論、そんなことはありません。
小型のハンデスはブーストするデッキによく効き、大型のハンデスはブーストしないデッキによく効くというだけです。
大型のハンデスに関しては、上ですでに確認を取ることができました。
それでは、小型のハンデスに関しては、どうでしょうか。
ブーストするデッキは、ブーストによって手札を消費します。
ですから、ハンデスを受けると、少ない枚数しか抜かれなくてもマナが溜まりきる前に手札が尽きてしまいます。
それに対し、ブーストしないデッキは手札の消費が少なく、また早い段階でドローしたりすることもあります。
ですから、ハンデスされる枚数が少なければ、十分しのぐことができます。
大型のハンデスの事例を、ここで思い出してみましょう。
大型のハンデスを受けるとき、ブーストしたデッキの手札は、すでにある程度減っています。
ですから、大型のハンデスを受けても、小型のハンデスを受けても大した差はありません。
「手札を全て捨てさせる」という効果は、相手がたくさんの手札を持っていて初めて意味をなすのです。
トップの強さ、そしてハンデス耐性の意味を探ることで、私たちは新たな展望を得ることができます。
それは、流行っているハンデスの違いによって、「トップの強さ」の意味が変わるかもしれないということです。
小型のハンデスが流行っているならば、ブーストしないデッキは「トップ勝負」にすらならないかもしれません。
「トップ勝負」を強いられるブーストタイプのデッキと、どちらが有利かは明白ですね。
環境によって、「強いデッキ」は変わります。
そして、各性能の定義もまた、変わってしまいます。
「トップの強さ」も、その例外ではありません。
ブーストするデッキの方が、手札においても有利であるねじれた環境は、いま改善されつつあります。
メタゲームによって、殿堂入りによって、そして新カードによって、これからのDMはどうなるのか。
結果はどうあれ、安心して期待を寄せることができそうです。
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