ふたり回し

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デッキの分析法

私は今まで、デッキ一般について語るために図表を作ってきました。

タイムテーブル、アイコン、使用可能性、累計コスト・・・

これらの図を個別のデッキの分析に使ってみたら、何かが分かるかもしれない。

というわけで、これまでの図におおかみつきの最新版を当てはめてみます。


デュエルマスターズ講義録に用いられた技術の大半は、デッキの表現形式に関わっています。

これは、新しい切り口を利用することでデッキの仕組みが分かりやすくなるのではないか、と考えたため。

実際、今まで作ってきた図表のいくつかは、デッキの本質に触れることができたように思えます。


では、これまで作ってきた図が一般論の説明にしか役立たないかというと、そんなことはありません。

本当は、具体的なデッキをデータ化して見やすくしてくれる機能を持っているはずなのです。

リソースの供給と効果器の需要はずれていないか、デッキ内の役割のバランスは正しいのか、種族ボーナスの範囲は確保できているのか。

40枚のカードの奥に埋もれてしまった情報を引きずり出すために、これまでの分析法を役立ててみましょう。

今回はお手本として、おおかみつきの分析を行いながら分析の手順をご説明します。


・ベース

3 x 覇翼 フェアリー・アクセラ

4 x ダンディ・ナスオ

4 x ビクトリー・アップル

2 x アラゴト・ムスビ


・速攻パーツ

4 x 無頼封魔アニマベルギス


・中速パーツ

4 x 黒神龍ギランド

2 x 大菜王ゴッド・バナナーン

2 x 鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス

3 x 爆竜 GENJI(ゲンジ)・XX(ダブルクロス)

3 x (黒神グールジェネレイド)


・低速パーツ

1 x 超竜バジュラ

1 x 超神星DEATH(デス)・ドラゲリオン


・防御パーツ

3 x 炸裂の影デス・サークル

4 x 地獄スクラッパー


私はレシピを書く時、いつもユニット別にまとめるようにしています。

これは意味づけによって中身を把握しやすくするためで、同時にユニット間のバランスを見る上でも役立ちます。


<タイムテーブル法>

統計アイコン法を使い始めるまでは、私は主にタイムテーブルを利用してデッキの説明を行っていました。

これは「デッキの構造」で使った図に手を加えたものです。

カードを役割別に分け、使うタイミングを縦、役割を横にとってカードを整理します。

空きスペースが大きいのでたくさん書き込みができるのが便利でした。

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問題点は、一言で言うなら「デッキではなくデッキの動きしかわからない」ことです。

リソース管理やシナジーの回路は見せやすいのですが、その分個々のカードのコストのような具体性が後退してしまいます。

単純なデッキ紹介でこの図を使わなくなったのは、そのためです。


<統計アイコン法>

タイムテーブルの抽象性に問題を感じてからは、専らアイコン法を用いてデッキ解説を行っていました。

40のアイコンを着色し、そこに記号を書き込むことで、デッキ内の役割やコンボパーツなどの枚数を視覚的に伝えることができます。

進化元を数える時などには便利な図でした。

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こちらの問題は、上とは逆に動きが犠牲になってしまったところです。

デッキの中身は分かりやすくなりましたが、結果としてレシピにいろいろ付け加わっただけの代物になってしまいました。

デッキの機能は位置と方向に置き換えられ、デッキの構成要素は量と分類に置き換えられるため、両方を同時に示すことは困難です。


<累積コスト法>

これは先日「デッキの構造リターンズ」でもちいた図です。

コストを縦軸、枚数とカテゴリを横軸にとる、デッキ内のカード比率を重視した図です。

ただ、カードを並べる順番がコストではなく任意の分類なので、動きを横軸に組み込むこともできます。

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問題を解決したようで実はただの折衷ですから、抜け落ちている情報も多々あります。

特に、シナジー関係についての情報がかなり薄くなってしまったのは困りものです。

タイムテーブル法には矢印や文字情報、統計アイコン法にはカテゴリの視覚化という形で組み入れていたシナジーが、この図にはありません。

デッキの構成要素を完全に機能とコストに絞って表記した形です。


どの図も一長一短ではありますが、用途に合わせて使うことで効果を発揮してくれると思います。

テーブル法はシナジーに、アイコン法は枚数確認に、コスト法はバランス調整に。

縦軸と横軸に何を取るかだけでも、案外大きな違いが生まれるものですね。


カードゲームで扱われる諸要素は、平面の図に収まりきるようなものではありません。

図式化せずに漠然と思い描くだけでは、実態を理解することはなおさら困難です。

ですから、私たちは何を拾い上げ、何を捨て去るべきかを判断しなくてはなりません。

何を横軸にし、何を縦軸にし、何を色やアイコンに置き換え、そして何を文字で書き込むのか―

それが、デッキの正しい断面図を見つけ出すということなのです。