ふたり回し

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おまかせ♡デッキ改造班!(自虐ハンニバル)

今回診断するのは、RYO1さんのデッキ、『自虐ハンニバル』です。

中盤の線の細さとマナの伸び悩みが気になったため、調整はマイルドな方向へ。

前回はやりそこないましたが、今回は直幹たちに活躍してもらうとしましょう。


 杜 霞藍:カードショップ「CIAO!」の店長。趙は旧姓。

高崎 直幹:昨年の秋から「CIAO!」で働き始めた学生。

手島川蛍水:昨年まで「CIAO!」で働いていた。高崎の先輩でもある。


直幹:みなさんこんばんは!本日はカードショップ「CIAO!」公式サイトにお越しいただき、誠にありがとうございます。

   「CIAO! RADIO」8月号は、店長、社霞藍、店員、高崎 直幹、そして・・・

   頼りになる大先輩、手嶋川 蛍水の三人でお送りいたします!

蛍水:高崎君、ありがとう。ご期待に添えるようがんばらなくっちゃね。

直幹:またまた謙遜しちゃって!僕、ことデッキに関しては、先輩に聞いて外れたこと一度もありませんよ。

   いや、先輩の麗しい唇から漏れた言葉が真理でなかったことがない!

蛍水:あらあら、でも、今日の診断コーナーは結構手ごわそうだよ。

霞藍:黒緑の、確かリアニメイトみたいなデッキだったネ。

直幹:ええ、ガチガチのリアニメイトではありませんが、墓地回収メインのデッキでしたね。

蛍水:ちょうどいいから、今日は診断コーナーからやってみようか。

   それじゃ・・・なんでも診断!

三人:『おまかせ♡デッキ改造班』!!


直幹:今回投稿していただいたのは、K市S区にお住まいのペンネーム「RYO1さん」17歳です。

霞藍:17カ。蛍水、アンタがウチに初めて来たのもその時分だったネ。

蛍水:高校生ですもん。人生何でも選びたい放題でね。

直幹:ええ、僕にもそんなころがありましたね・・・

霞藍:年寄りみたいなこと言ってるんじゃないヨ。

   アンタたちなんて、アタシからしたらまだまだ赤ン坊みたいなもんサ。

直幹:そりゃ、墓の穴に片足突っ込ん・・・

蛍水:高崎君!お手紙を読んでくれる!

直幹:はい!ただいま!

霞藍:(直幹に司会をやらせたのは間違いだったかネ・・・)

   

直幹:「みんさなんこんにちは。僕は毎月『CIAO! RADIO』をすごく楽しみにしています。」

   「いろいろ勉強になるし、直幹さんのボケには毎回独特のキレがありますね!」

   「今日は、『デッキ改造班』のお力を是非お借りしたく、お手紙をお送りした次第です。」

   「以下のデッキの調整に苦戦しているので、診断よろしくお願いします。」


・マナ加速

 フェアリー・ライフ×4

 鼓動する石版×4


・墓地ストック

 埋葬虫ベリアル・ワーム×3

 ダンディ・ナスオ×1

 プライマム・スクリーム×3


・墓地活用

 蓮龍陣×4

 魔龍バベルギヌス×2

 殲滅の英雄ハンニバルΖ×2


・妨害・除去

 バイス・サイクロン×3

 怨念集結×2

 死神の邪剣デスライオス×3

 ナチュラル・トラップ×3

 デーモン・ハンド×3

 魔刻の斬将オルゼギア×2


・一枚積み

 悪魔紳ドルバロム×1


直幹:「このデッキはハンニバルΖに一目惚れして1から練り上げたデッキで他のデッキにも増して思い入れの強いデッキです。」

   「もっと向上出来るように診断よろしくお願いしますm(_ _)m」

   ・・・と。なんだか古風なデッキですね。大丈夫かな?

霞藍:アタシはそんなに悪くないと思うけどね。ホールばっかり平積みされたデッキよりはずっとマシだヨ。

   それで、蛍水、肝心のアンタは、どう?

蛍水:肝心って、社先生も手伝ってくださいよ?

   ・・・私の感想は、そう、ちょっとコンボが重すぎるかなってところですね。

直幹:先輩、僕も頭数に入れてくださいよ。

蛍水:あ、うん、もちろん、頼りにしてるよ、高崎君。

霞藍:コンボが重すぎる、か・・・そうだネ、分かりやすいシナジーに引っ張られすぎてるところがあるかもしれない。

直幹:それって、怨念終結とか、連龍陣とかですか?

蛍水:なんだ、一応それくらいは見当つくんだ。

直幹:なんかそれ、ひどくありませんか?

蛍水:ああ、ごめんごめん。

   始めてあったころの蒙・・・じゃなくて、うん、ホントに上達したよね・・・昔と比べると。

霞藍:フォローになってないヨ、蛍水。


<墓地ギミックの肥大化>

蛍水:パッと見で分かるのは、墓地送りと墓地回収にこだわりすぎてるってことかな。

直幹:そうですね。

   テーマとかシナジーって面からみるとそれはある意味理想的なことなんだけど、これはやりすぎですね。

霞藍:お、直幹、一端のビルダーみたいなこと言うようになったじゃないカ。

   それじゃついでニ、何がいけないか当ててみナ。

直幹:簡単ですよ、店長。

   通常コンボやギミックというものは、カードの効果を活かすためにあるわけです。

   ですから、相乗効果、シナジーを生み出すようなカードの組み合わせはそれだけでデッキネタとしての価値を持っています。

   特にネタデッキにおいては、シナジーやコンボの量はデッキを評価する基準の一つですね。

   ―ところが、シナジーがデッキの全てかというと、それも違う。

   シナジーがあるからといって弱いカードや過剰なカードをデッキに入れれば、そのカードは死にスペースになってしまうんです。

霞藍:アイ、56点。

   だらだらしゃべりすぎだヨ、ラジオなのに。

蛍水:それでは、簡単にまとめてみますね。

   シナジーがあるのはいいことなんだけれど、一番大事なのはカードが役に立つかどうか。

   言い方を変えれば、使うかどうか。

   だから、シナジーがあるからといって、使わなかったり弱いカードを入れるのはあまり良くないの。

   わかりやすい「シナジー」の多くは、こうした「悪いシナジー」なんだよ。

直幹:そうそう、僕もそれが言いたかったんですよ、先輩。

蛍水:今度からはスラスラ言えるように頑張ってね。

   改造班だけでラジオを終わらせるわけにはいかないんだから。

霞藍:まあまあ、蛍水、直幹にも版回のチャンスをあげようじゃないカ。

   このデッキの場合、具体的にどんな不具合が起こってるか、言ってごらん。

直幹:ええっとですね、まずはスペースの肥大化が挙げられると思います。

   墓地ギミックに使うカードが多すぎて、ハンデスなんか全然入ってませんよね。

   それから・・・ギミックが膨張してるのは、つまり事故りやすいからで・・・

   コンボは基本的に事故との戦いだから、エンジンをコンボに頼るのはちょっと危険ですね。

霞藍:ふん、エンジンがコンボ頼みなのはよくないネ。

   どうしてだか、分かるかい?

直幹:エンジンが事故を起こすと、デッキ全体が回らなくなってしまうからです。

   それに、事故らないエンジンのサポートがあれば、デッキ内のコンボの成功率がぐっと上がるから。

   エンジンにコンボを組み入れる際は、素直なエンジンも投入して安全確保したいところですね。

霞藍:ほら、分かってるジャないか。


<コントロール性能>

蛍水:もう一つ問題があるとしたら、コントロールパーツの貧弱さかな。

   現状フィニッシャーにたどり着くまで結構間があるし、それまでもたせるだけのコントロール力もないよね。

直幹:そうですね。

   「自虐ハンニバル」というだけあってデスライオスとかが入ってるけど、

   小回りの利かない除去をバラバラ投げるだけでは、中速以下のデッキには効き目が薄いかもしれません。

霞藍:コントロールしながら墓地を増やす、っていうのは、理にかなってるようにも見えるけどネ。

蛍水:コントロールが出来ていれば、の話ですよ。社先生。

   ビート相手ならハンドとトラップで何とか間に合うかもしれませんが、

   このままではコントロール相手にサンドバックにされかねません。

直幹:最近はコントロールも早い段階でフィニッシャーを出してきますからね。

   赤抜き4Cにしても、キリコにしても、受け身では一気に持っていかれかねない。

   こうしたデッキはコントロールというより、重量型のビートダウンと考えるべきかもしれませんが。

蛍水:展開力のあるデッキが多いから、特にデスライオスはキビシイよね。

   SA相手にも後手では対応しづらいから、先手をうってハンデスできるといいかもしれない。

直幹:いやー、ハンデスはあんまり役に立たないんじゃないですか?

   ただでさえ重ドロー環境だったのに、最近はNのせいでドロマーもヒイヒイ言ってますよ。

   僕はバイスサイクロンも抜いて、攻撃速度に特化させるのもいいと思ってるくらいですよ。

蛍水:うん、だからジェニー使おうかと思って。

霞藍:アンタにしては、随分古いカードを持ってくるジャないか。

蛍水:それを言ったら、ゴーストタッチは化石ですよ。

   ゴーストタッチが復活したみたいに、ジェニーが復活したっておかしくないでしょう?

直幹:でも、ホントにジェニーで大丈夫なんですか?

   超次元環境だとフィニッシャーが多すぎて止められないような気がしますよ。

蛍水:純粋な超次元環境ならね。

   最近は、っていうか、不滅オロチのころもそうだったけど―超次元環境には二つのサイクルがあるの。

霞藍:不滅オロチか・・・反超次元のデッキだネ。

蛍水:ええ、今の環境には、超次元に対抗するための緑型のデッキが増えてきているんです。

   呪文メタのホーガンやキリコはもちろんのこと、超次元側もディアボロスのために7マナまで伸ばしてきますね。

   サイキック獣の多様化もあいまって、カード間の役割分担、特定カードへの依存性は先鋭化していますよ。

直幹:でも、キリコや超次元は少なくとも8枚体勢でしょ?

   ハンデスで押さえ切れるかなぁ?

蛍水:そこは心配しなくても大丈夫。

   このデッキはリアニメイトだけれども、ハンニバルやオルゼキアを使った除去系のデッキでしょ。

   ハンデスはあくまで除去を間に合わせるためのものだから、長期戦の心配は必要ないよ。


<まとめ>

直幹:それでは、もう一度問題点をまとめて、改造案を仕上げて見たいと思います。

   先輩、よろしいでしょうか。

霞藍:ああ、構わないヨ。

蛍水:あらあら・・・まず気になったのは、エンジンの不安定性だったよね。

   それから、デッキ内の除去の過剰と、対コントロール時の無防備さ、かな。

霞藍:全体的に見て、動きがすごくのんびりしてる気がするネ。

   サイン系のデッキが幅を利かせてた頃のデッキを、そのまま持ってきたみたいだヨ。

直幹:ああ、なるほど・・・

   連龍陣やバイスサイクロンなんかも、長期戦を見込んでる感じがしますね。

蛍水:見込んで、というより、一方的な期待に近いものかな。

   今の環境で「撃てる時にプライマルスクリームやベリアルワームを撃って・・・」じゃちょっと間に合わないよ。

   無条件に長期戦が起こると仮定できるならそれで問題ないけど、ホントはコンボパーツも別のカードで引っ張ってきたいくらい。

直幹:となると、改造のテーマは「クイックな動き」ですね。

   早い段階で効果が反映されるカードを増やして、フィニッシャーを間に合わせる、

   もしくは、ハンデスで相手の出鼻をくじいて、積極的に長期戦に持ち込むと。

霞藍:アタシはそれで手打ちにしてもかまわないヨ。

   蛍水、アンタは?

蛍水:ええ、スマートですね。

   いいんじゃない?高崎君。

直幹:ありがとうございます。

   今のところだけディスクに焼いて保存しちゃおうかなぁ。

蛍水:あ、あははは・・・冗談?だよね、高崎君・・・

霞藍:そんなことより、今から調整するから手伝っとくれ!


<改造案>

直幹:・・・というわけで、出来上がったレシピがこちらです。


・基礎エンジン

4 x 霞み妖精ジャスミン

2 x フェアリー・ライフ

3 x ハッスル・キャッスル


・墓地ギミック

3 x 埋葬虫ベリアル・ワーム

4 x プライマル・スクリーム

1 x インフェルノ・サイン

2 x 魔龍バベルギヌス


・主力打線

2 x 殲滅の英雄(カリスマ)ハンニバルZ(ゼータ)

2 x 魔刻の斬将オルゼキア

2 x 暗黒の悪魔神ヴァーズ・ロマノフ


・その他

4 x 解体人形ジェニー

3 x リーフストーム・トラップ

3 x 腐敗無頼トリプルマウス

3 x 威牙忍ヤミノザンジ

2 x ヤミノサザン


霞藍:結構大変だったネ。

   番組つながってるけど、結局4日かかった?

直幹:ええ、進化獣の選定が結構難しくて。

   一度Bロマまで試してみたけど、あれは結局早出し専用でしたね・・・

蛍水:そうだね。

   ヴィルジニアがいて初めて、強いカード。

   ターボロストみたいな使い方だよね。

霞藍:ハッスルとジェニーの話は出てたけど、後はトリガー周りか・・・結構変えたネ。

直幹:対小型除去が薄かったので、サザンとザンジを追加してみました。

   大型は、もうデモコマで間に合わせようということになって・・・

蛍水:リーフストームは、コストよりブーストの方が目的だったね。

   もともとハンデスも時間稼ぎのためだったから、方針は一応一貫してるのかな。

直幹:トリプルマウスも、ハンデスよりハッスル起動しつつブーストするためのカードですよね。

霞藍:で、どうなのサ?

   ハンニバルは前より出しやすくなったかい?

直幹:それはもちろん。

   ハッスルで墓地ギミックを引いてこれるようになったのと、除去で相手に対応しやすくなったのと。

   やっぱり手札に余裕があるのは大事ですよね。

蛍水:「回り始めるまで」により大きなスペースをさいた成果だね。

   診断前は、「回り出した後」のドリームが壮大すぎて立ち上がりに支障がでてた感じ。

直幹:立ち上がりといえば、意外とゴーゴンに引っかかって四苦八苦しましたよね。

霞藍:結構呪文に頼ってたからネ。

蛍水:そのときでしたね。ジャスミンとヤミノザンジを入れたのは。

直幹:ええ、結果的にハッスルの効率も上がって、割によかったと思いますよ。

   プライマルスクリームでザンジを引っ張ってきたりもして。

霞藍:よし、それジャ、最後に挨拶といこうか、直幹。

直幹:ええっと、いかがでしたでしょうか?RYO1さん。

   なんだか見た目が平凡になってしまったけれども、

   全体的にフットワークが良くなって戦える相手が増えているはずです。

蛍水:フットワークっていうか、挙動の軽さには気を使ったよね。

   ヴァーズも最初は「殴り返しで2体処理」とか言ってたけど、

霞藍:ハンニバルから追撃に使って、相手を退けながらカチ込んだりネ。

直幹:最終的に、序盤、対応、中継ぎ、フィニッシュと、全行程の反応がクイックになりましたね。

   今まで取りこぼしていたシーンをガツガツ拾いに行けるようになっているので、

   是非試しに使って、「クイックさ」を実感してもらいたいと思います。


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