ふたり回し

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レシピとスコア-1/2

デッキレシピの著作権で、随分と盛りあがっているようなので、

遅ればせながら、私も参戦してみることにします。

勿論斜め上ですが・・・


・ビルダーをおだてるべし

まずはじめに断わっておくのは、

「人の手柄を横取りするのはよくない」ということ。

この一点に関しては、多くの方が認めるところでありましょう。


称賛と名誉が本人のものであるべきだ、などと、小難しい話はなし。

時々はおだててもらった方が、ビルダー側もやる気が湧きますし、

それは、世の中に面白いデッキが増えるということなのです。


ちなみに、誰かが自分のデッキを使っているのを見たら・・・

嬉しいですよ。嬉しいに決まっています。

デッキが認められた、というのもありますが、

そのデッキを使っている時の特有の感覚を共有できる仲間がいると思うと、

なんだかわくわくしてくるものです。


・デッキはどこにあるか

さて、本題を片づけたところで、余談にうつります。


デッキをコピーする、という表現があるのは、

デッキという言葉が、デッキを構成するカードの組み合わせ、

すなわち、デッキレシピと同義であるためです。

デッキケースの中に入っているものとは違って、

この場合の「デッキ」の中のカードは、抽象的な記号にすぎません。

そうでなくては、模倣はできても、コピーはできません。

デッキケースの中に入っているデッキは、貸し借りはできても、

コピーすることはできないでしょう。

(大量の第七音素が必要です)


ですから、デッキをコピーすることの是非の前に、

「デッキはコピーされうるのか」「どこまでを固有のデッキとするか」

を考えていく必要があります。

そして、「デッキ」を考える上で重要になってくるのが、

「デッキレシピ」という言葉。

この「レシピ」という表現に、

デッキとデュエリスト、そして、デュエルの関係が表れています。


「レシピ」というのは、勿論、調理法と材料の情報です。

レシピは、当り前ですが、おいしくはありません。

おいしく頂くためには、

材料と、技術がそろって、それらが間違いなく実践される必要があります。

レシピは、料理をデータに書き換えて、伝えやすくしたものです。

すなわち、おいしく頂くために、デコードされるのを待っている。

これは、DMのデッキにも言えることですね。


しかし、デッキと料理では、大きく異なる部分があります。

それは、ビルダーはデッキレシピを自慢するけれども、

料理人はレシピを自慢したりしないということです。

料理というのは、現物がメインであって、

料理人はもっぱら、おいしく料理を作れることを自慢します。

そもそも、作っている料理には、創作ものもありますが、

基本的には、伝統的だったり、ポピュラーなものがほとんど。

オリジナリティのあるものは、「秘伝」のたれなど、

真似されることのないように、口外無用となっています。


本当は、デッキレシピを自慢することは、滑稽なことかもしれません。

デッキレシピをレシピと考えるなら、

完成品は実物のデッキ。

いえ、ひょっとすると、

実物のデッキも、材料がそろった段階にすぎない可能性もあります。

「このデッキは俺にしか回せない」とは、よく聞く台詞ではありませんか。

デッキケースの中に入っている40枚は、材料に過ぎず、

デッキの実態は、デュエルのたびに料理されている、

あるいは、作り直されているのかもしれません。

なんといっても、デッキが実際に機能するのは、

デュエルの中だけなのです。


レシピとしてのデッキ、材料としてのデッキ、料理としてのデッキ。

果たして、本当の「デッキ」は、どこまでを指すのでしょうか。

プレイヤーが所持している物は、ビルダーが所有している物は、

一体何でしょう?

それは、私たちにとって、デッキが何を意味するのかという、

答えに他なりません。



疑問を残しつつ、次回に続きます。

レシピとスコア-2/2 - ふたり回し


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