ふたり回し

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特殊召喚の恐怖

まじめなコラムです。

スペース論、なのかな・・・


特殊召喚はDMの黒歴史

大地、紋章、ゲート、サイン、ヴィルジニア・・・

特殊召喚は、初期の大量ドローや山札破壊と並んで殿堂入り率が高いカテゴリです。

いずれもが時の最強フィニッシャーと癒着し、その力をあますところなく発揮してきました。

こうしたエポックメイキングな、あるいはアポカリプスな特殊召喚の恐ろしさはどこにあるのか、それが今回のテーマです。


・何匹ものクリーチャーへのバトンタッチ

強力な特殊召喚の共通点は、バトルゾーンに出すクリーチャーをマナや墓地から持ってくることです。

これは基礎固めリターンズで一度お話ししましたが、回収を兼ねている、ということ。

手札のカードに加えて、マナや墓地のカードを選択肢として扱えるのが最大の強みなのです。


モデルとして、特殊召喚3枚、クリーチャーA,B,Cからなるユニットを想定してみましょう。

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ナスオやカラフルダンスなどを用いてマナや墓地に該当カードを出しておけば、あら不思議。

一枚の特殊召喚(母なる大地をイメージ)は、A,B,Cを選んでバトンタッチすることができます。


ここまではある意味当たり前のことをおさらいしただけですので、退屈に感じた方もいらっしゃると思います。

けれども、ここから先はそんなことはありません。

ぞっとするような特殊召喚の真実が待ち構えています。


・スペースの氾濫

「A,B,Cのいずれかにバトンタッチ可能」と表現すると、あまり大したことに聞こえないかもしれません。

ですが、こう表現してみてはいかがでしょう。

すなわち、「A,B,Cの全てにバトンタッチ可能」と。


量を捨てて確率だけを見るなら、A,B,Cのいずれかにバトンタッチすることは、A,B,C全てが一枚分出やすくなるということ。

A,B,Cを1枚ずつ増やしたことになるのです。

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先ほどのモデルから、特殊召喚の部分だけを抜き出してみました。

3枚分の特殊召喚はA,B,C3枚ずつに化けます。

合わせれば、9枚分のスペース。

かなりスペースが拡張されていることが分かります。


ここで、このモデルをA,B,C各2枚積みのモデルと比較してみましょう。

合計6枚ですから、合計枚数は同じですね。

でも内部に発生するスペースを見れば、違いは一目瞭然です。

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特殊召喚3枚がA,B,C各3枚に相当するなら、もともと入っている分を合わせて各4枚積み。

A,B,C各二枚積みの状態からスペースの半分を特殊召喚に回すことで、スペースは2倍に増大しています。

6枚分のスペースに、12枚分のカード。

特殊召喚の持つバトンタッチ能力の恐ろしさをご理解いただけたでしょうか。

分かりやすくするためにやや誇張されていますが、特殊召喚の「カラクリ」は大体こんなところです。


ただ一つ気をつけておかなければならないのは、物理的な枚数が増えていないということです。

物理的に各カードが2倍になっても、一枚ドローしてAを引き当てる確率は1/3。

物理的な枚数が変わっていないからこそ、Aを引き当てる確率が2/3に上昇しているのです。

各カードを引き当てる確率の合計にいたっては、6/3、200%です。

なんだかバトルマンガみたいですね。


・超次元環境―狂気の時代

けれども、御安心ください。

上に挙げたような恐ろしいカードは、もう軒並み殿堂入りしています・・・

とはいいかねる状況です。

なぜなら、現在の環境の中心にあるのは、特殊召喚の最たる超次元だからです。


ホールは、大地やゲートと違ってマナや墓地にカードを用意する必要がありません。

シールド落ちを恐れずに、堂々と一枚積みできるというわけです。

サイキックが全部で8枚に制限されているといっても、各2枚積みなら16枚分。

これが、「デッキの外」で常時スタンバイしているのが現環境です。

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先ほどの6枚モデルの、超次元版です。

これを拡張されたスペースに換算すると・・・

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8匹×6枚!

6枚のスペースに、48匹のクリーチャーがひしめいています。

デッキの層数である40を、すでに上回っています。

こんなものをどこにしまってあるのか、それは4次元ポケットならぬ超次元ポケットの中。

これをして超次元とは、タカラトミーのくせに言い得て妙ですね。


この8枚がコストに比べて貧弱だったりすればまだ納得がいきますが、ご存じの通りそうではりません。

5コストで6~12コスト相当のクリーチャーがポンポン出てきます。

先日コンビ殿堂入りしたバイスディアボロスなど、単体を見ても6マナのQB、除去体制、全滅除去。

これがデッキの中にぎっしり詰まっていたのです。


先のモデルは6枚でしたが、これもご存じの通り、超次元呪文はデッキに12枚以上積まれるのがザラです。

・・・先ほどの48枚ですらデッキの枚数を上回っていたのに、その2倍・・・

皆さんの目で直に確認していただくのが一番でしょう。

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実際は各ホールによって出せるカードに制限があり、一概に8×12とはいえません。

が、各ホール4,5匹としても50枚分程度のスペースは軽く発生しているものと思われます。

また、二匹同時出しを2枚分に数えるなら、逆に100枚分くらいのスペースに達しているかもしれません。

その上、超次元と関係のないドローやら除去やらハンデスやらがさらに上乗せされます。

母集団の40枚に90枚、プラスアルファ(デッキの残りの部分がまるでオマケのようですね!)が入っている格好になります。



スペースの氾濫は、単体のカードパワーのインフレよりもはるかに恐ろしい現象です。

大地と紋章フル搭載8枚積みのロマネ時代でさえ、みんなヒーヒー言っていました。

それを思えば、超次元の時代に「この世の終わりだ!!」と叫んだところで、なんら支障はありませんよね・・・


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